築40年の一戸建てでも売却できる!築年数が古い家を費用をかけずに売る方法とは?

親から相続した築40年の一戸建て住宅、住む予定もなくどうやって売ればいいのかも分からず放置したままになっていませんか?

たとえ築40年の一戸建て住宅でも売却する方法はあります。

今回は、築年数が古い一戸建て住宅を費用をかけずに売却する方法について詳しく解説します。

目次

築40年の一戸建ては建物の価値がほとんどない

築40年の一戸建て住宅は建物の資産価値がほとんどないことが多いのですが、その理由は次の通りです。

築40年の一戸建てに価値がない理由

  • 理由1:耐用年数を超えている可能性があるから
  • 理由2:新耐震基準を満たしていない可能性があるから
  • 理由3:そもそも需要がないから
  • 理由4:内装や設備が古いから

以下では、それぞれの理由について詳しく説明します。

理由1:耐用年数を超えている可能性があるから

一戸建て住宅の法定耐用年数は建物の構造によって異なり、木造で22年、軽量鉄骨造で27年、れんが造・石造・ブロック造で38年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造で47年と定められています。

近年、昔に比べて住宅の「非木造化」が進んでいるといわれていますが、築40年の一戸建て住宅が建てられた1980年当時は木造住宅が圧倒的に多かったため、現時点では築40年の一戸建て住宅の多くは法定耐用年数を過ぎている可能性が高いと考えられます。

そのため、ほとんどの建物の資産価値はなく、土地のみの査定金額になってしまいます。

ただし、建物の構造が鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の場合は、建物の法定耐用年数に達していないため査定金額が出ます。

なお、法定耐用年数を過ぎた木造や軽量鉄骨造等であってもメンテナンスが行き届いていて程度が良好だったり、適切なリフォームが行われていて居住に問題がないような場合は、建物の査定金額が加味された売却金額になります。

理由2:新耐震基準を満たしていない可能性があるから

築40年の建物の場合は、「新耐震基準」を満たしていない可能性が考えられます。

耐震基準とは、建物が最低限保持すべき地震に対する耐震性能のことをいいます。

建築基準法が改正された1981年6月1日以前の耐震基準を「旧耐震基準」、以後の耐震基準を「新耐震基準」と呼んで区別しています。

「旧耐震基準」は「震度5程度の地震で損傷しないこと」という基準でしたが、「新耐震基準」は「震度6強から7程度の地震で人命に危害を及ぼすような被害を生じない」という基準に変わっています。

つまり、築40年の建物は「旧耐震基準」に基づいていると考えられるため、「新耐震基準」を満たしていない可能性が高いということになるのです。

日本では地震が多いため耐震性能を重視する人が多く、「新耐震基準」を満たしていないことに不安を覚えることがあります。

また、「新耐震基準」を満たしていない場合は住宅ローンを組めないことがありますし、住宅ローンが組めた場合でも、年末調整や確定申告の際に「住宅ローン控除(住宅ローン減税制度)」が利用できません。

このようなことから、築40年の家は資産価値がなく売りにくくなってしまいます。

理由3:そもそも需要がないから

近年、新築に比べて購入価格が安い中古住宅を購入して、自分の好みに合わせて自由にリノベーションをして住むことが人気となっており、中古住宅の需要が増えています。

しかしながら、築40年になると建物に老朽化の影響が出てくるようになりますし、外観などにも古さを感じるようになります。

そのため、住宅購入の中心となる20代~40代の人から敬遠されて、需要のない売れない築古物件になってしまいます。

理由4:内装や設備が古いから

また、内装や設備が古いため、買い主に敬遠されてしまうことも考えられます。

たとえば、壁紙の色あせや破れ、床の傾斜やきしみなどが起こっていることもあります。

特に、トイレ・キッチン・浴室などの水回り設備には詰まりや異臭が発生していたり、現時点では発生していなくても将来発生するリスクは高くなります。

また、木造の場合は、雨漏りやシロアリ被害、床下の土台の腐食などの問題が発生するリスクが高くなります。

購入後に修繕やリフォームなどが必要となって費用がかかる可能性があることを考えると、購入をためらう原因となってしまいます。

ただし、築40年の一戸建てでも売却することは可能!

築40年の一戸建て住宅は、「耐用年数を過ぎていること」や「新耐震基準を満たしていないこと」などから建物の資産価値がないことが多く、需要もないため売却することは難しいといわれています。

しかし、中古住宅の資産価値は、主に土地の広さや形状、周辺の環境などによって変わってきますので、何らかの資産価値が認められれば売却できる可能性は十分にあります。

外壁や水回り設備のリフォーム、設備の交換などの適切なメンテナンスがされていれば、資産価値があると認められて売却することが可能となります。

売れない築40年の一戸建てでもスムーズに売却する6つの方法

一般的に売れないといわれている築40年の一戸建て住宅をスムーズに売却する方法は、次の通りです。

築40年の一戸建てをスムーズに売却する方法

  • 方法1:家を解体して更地にしてから売却する
  • 方法2:古家付き土地として売却する
  • 方法3:リフォームしたあとに売却する
  • 方法4:リノベーション向けの物件として売却する
  • 方法5:空き家バンクに登録する
  • 方法6:専門の買取業者に売却する

以下では、それぞれの方法について詳しく説明します。

方法1:家を解体して更地にしてから売却する

築40年の家になると、老朽化が進んでとても住めない状態になっていることがありますが、その場合は家を解体して更地にして売却する方法があります。

更地になっていると、買い主が購入後にすぐに建物を建築することができますので、売却価格を比較的高めに設定することができます。

一方で、家の解体費用や廃材処理費用、整地費用などの費用が発生してしまいます。

また、家を解体すると土地に対する「住宅用地の特例」が受けられなくなりますので、固定資産税が最大6倍まで高くなります。

ただし、固定資産税は1月1日時点の状態によって課税されますので、1月2日以降に解体すれば次の1月1日までは従来の税額のままとなります。

方法2:古家付き土地として売却する

家の状態が悪くて住むことができない場合でも、家は解体せずに「古家付き土地」として売却することも考えられます。

この場合は、古家は住むことはできないという前提ですので、売買契約書において「契約不適合責任」を免責にしておく必要があります。

家を解体しませんので解体費用などがかかりませんし、「住宅用地の特例」が適用されますので固定資産税が高くなることはありません。

しかし、買い主は購入後に古家を解体しなければなりませんので、その費用分だけ売却価格を下げなければ売れません。

また、売却交渉の際に「古家の解体費用がかかる」という理由からさらに値引きを要求されることがありますので、場合によっては更地にして売却する場合の価格よりも安くなってしまうこともあります。

方法3:リフォームしたあとに売却する

築40年の家でも、程度が良好でまだ住むことができる場合はリフォームして「中古住宅」として売却することもできます。

リフォーム済であるということから査定額が高くなるため、売出し価格を高く設定することができるというメリットがあります。

一方で、どのようなリフォームをするかにもよりますが、リフォーム費用がかかってしまいます。

また、水回り設備の更新など機能的なリフォームであれば、あまり好みの問題は起こりませんが、部屋の間取りや色調、デザインなどのリフォームは、買い主の好みと合わなければ購入候補者を逃すことになるかもしれません。

この場合は、「中古住宅」を売却することになりますので、売り主は「契約不適合責任」を負うことになります。

方法4:リノベーション向けの物件として売却する

家の基礎や柱などの基本的な構造物がしっかりしている場合は、「リノベーション」向けの物件として売却する方法も考えられます。

近年は「極力安い中古住宅を購入して自分でリノベーションしたい」という人が増えてきていますので、そのようなニーズに応えられれば売却が可能です。

現状の家を残したまま売却しますので、解体費用やリフォーム費用、改修費用などが発生しないことがメリットとなります。

家を残したまま「中古住宅」として売却することになりますので、売り主は「契約不適合責任」を負うことになります。

方法5:空き家バンクに登録する

築40年の家を「空き家バンク」に登録して買い手を探して売却する方法もあります。

「空き家バンク」は、空き家の売り主と買い主をマッチングさせることを目的に国や自治体が運営している不動産情報サイトで、不動産会社が取り扱わないような掘り出し物件が掲載されている可能性があるため、それを目的に閲覧する人がいます。

「空き家バンク」に登録することによって、このような人の目に止まり売却につながる可能性があります。

物件情報の掲載は無料で、仲介手数料もかかりませんので、他の売却活動と並行して登録しておくこともできます。

しかし、「空き家バンク」は売却したい物件情報が掲載されるに過ぎず、不動産会社のように営業マンが積極的に買い手を探してくれるわけではありませんので、短期間で売却できる可能性は低いと考えた方がいいでしょう。

また、「空き家バンク」運営者の国や自治体の職員は不動産の専門家ではなく、売却交渉や売買契約などに関わってくれるわけではないことも理解しておく必要があります。

「空き家バンク」を利用して売却する場合も、売り主は「契約不適合責任」を負うことになりますので注意が必要です。

方法6:専門の買取業者に売却する

専門の「買取業者」に売却するという方法もあります。

「買取業者」とは、中古物件を買い取ってリフォームなどを行った後に再販して利益を得るというビジネスを行っている業者です。

「買取業者」は、買い取った物件にリフォームやリノベーションを行ってから再販しますので、その分の費用を差し引いて買い取ります。

そのため、仲介に比べて売却価格が2~4割ほど安くなりますが、1週間~1ヶ月程度の短期間で売却することができます。

費用をかけずに売却するなら専門の買取業者に依頼するのが一番おすすめ!

築40年の一戸建て住宅を、手間も費用もかけずに売却するのであれば、専門の買取業者に依頼するのが一番おすすめです。

解体やリフォーム、リノベーションを行う必要がない!

なぜならば、解体やリフォーム、リノベーションを行う必要がないからです。

家の状態に関わらず現状のままで1週間~1ヶ月程度の短期間で買い取ってくれて、支払いは現金で行われますので、短期間で現金化することができます。

さらに、通常の不動産売買では売り主は「契約不適合責任」を負うことになりますが、「買取業者」はリフォームを行うことを前提として購入するため、特約によって「契約不適合責任」が免責されます。

築40年の一戸建てを売却する前に確認すべき5つのこと

築40年の一戸建て住宅を売却する前に確認すべきことは、次のとおりです。

売却後のトラブルを避けるためにも、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

築40年の一戸建てをスムーズに売却する方法

  • 確認1:シロアリ被害や水漏れなどの問題がないか確認する
  • 確認2:土地の境界線を確認する
  • 確認3:再建築不可物件でないか確認する
  • 確認4:解体スケジュールを確認する(1月2日以降に行う)
  • 確認5:3社以上の査定価格を確認する

その1、シロアリ被害や雨漏りなどの問題がないか確認する

築古の一戸建て住宅を売却する場合は、「ホームインスペクション」を行ってシロアリ被害や雨漏りなどの問題がないかを確認しましょう。

「ホームインスペクション」とは、専門家に家の欠陥や劣化の状況について調査してもらい修繕などについてのアドバイスをもらうことです。

売却前に調査してもらうことによって、シロアリ被害や雨漏りなどの有無を把握して、適切な修繕を行うことができます。

費用がかかりますが、買い主に安全な物件であることをアピールすることができます。

その2:土地の境界線を確認する

一戸建て住宅を売却する場合は、「土地の境界線」を確認しておく必要があります。

「土地の境界線」は、地面に埋め込まれた「境界標」や「地積測量図」などで確認することができますが、古い土地の場合は「境界線」が埋もれてしまっていたり、移動していたりなくなっていたりすることがあります。

「土地の境界線」が曖昧になっていたり、塀や樹木などが境界を越境していたりすることもあるため、隣接地の所有者とのトラブルを避けるためにも、事前に「土地の境界線」をしっかりと確認しておくようにしましょう。

「土地の境界線」が不明確な場合は、不動産会社や土地家屋調査士などの専門家に相談して、必要であれば測量を行って確定させる必要があります。

その3:再建築不可物件でないか確認する

築40年の一戸建て住宅を解体して更地にして売却することを検討している場合は、その土地が「再建築不可物件」になっていないかどうかを確認する必要があります。

「再建築不可物件」とは、現在の建築基準法を満足していないために、家を解体して更地にしてしまうと新しい家を建てることができない土地のことです。

具体的には「幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地」が「再建築不可物件」に該当します。

古い一戸建て住宅の場合は、建築当時と現在の建築基準法で基準などが変わっていることもありますので、事前に役所の建築関連窓口や専門家に確認しましょう。

その4:解体スケジュールを確認する(1月2日以降に行う)

築40年の一戸建て住宅を解体して更地にして売却する場合は、解体スケジュールを確認して、家の解体は1月2日以降に行うようにしましょう。

なぜならば、1月1日時点で建物が解体されてなくなっている場合は、土地の固定資産税に「住宅用地の特例」が適用されなくなり、固定資産税が増額されて最大6倍になってしまうからです。

1月2日以降に解体すれば次の1月1日までは、これまで通り「住宅用地の特例」が適用されます。

その5:3社以上の査定価格を確認する

古い一戸建て住宅を売却する場合に限ったことではありませんが、不動産売買の際は3社以上の業者から見積もりを取って、査定価格を確認する必要があります。

業者によって得意とする不動産のタイプや地域などがあったり、査定のポイントが違っていて査定価格に差が出ることがあったりするからです。

また、査定価格だけではなく、いろいろな対応にも違いがある可能性がありますので、複数の業者を比較検討して決めることをおすすめします。

専門の買取業者に依頼すれば築40年の一戸建てを手間なく費用をかけずに売却できる!

この記事では、築40年の一戸建て住宅が売れない理由やスムーズに売却するための方法などについて解説しました。

その一戸建て住宅の程度や立地条件などによって変わってくるとは思われますが、手間や費用をかけずに確実に短期間で売却するのであれば、専門の買取業者に依頼することをおすすめします。

多くの買取業者がありますので、3社以上の業者から見積もりを取って買取価格や条件を比較して最適な買取業者を選定するようにしましょう。

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