空き家について相談するならどこ?7つの相談窓口を目的別に紹介

近年は空き家の増加が深刻化し、それに伴いさまざまな問題が発生しています。
空き家が増加しているのは、少子高齢化による人口減少、高度経済成長期に建てられた住宅の老朽化、相続問題などが原因とされています。
「所有している空き家を何とかしたい」と考えていても、どこに相談すれば良いかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、空き家について相談できる窓口を7つ紹介します。
また、空き家の活用方法や売却方法についても解説するので、空き家を持て余している方はぜひ参考にしてください。

有限会社アティック取締役の橘田浩志です。2000年にデザイン会社として創業。出版を中心に雑誌や書籍などのデザインを手がける。2013年より不動産賃貸業を始める。アパート、区分マンション、戸建てなど様々な物件を購入。他にシェアオフィス 「原宿テラス」や民泊の運営など不動産を活用する事業も並行して行う。2023年より不動産業として日本全国の戸建物件の買取再販、東急世田谷線沿線専門仲介などの事業をスタート。
- 1. 空き家について相談できる窓口
- 1.1. 不動産会社|空き家の売却や活用を検討している
- 1.1.1. すみやかに売却するなら不動産買取業者
- 1.1.2. 売却価格にこだわるなら不動産仲介業者
- 1.2. 解体業者|空き家を解体して処分したい
- 1.3. 自治体|空き家の売却を相談したい
- 1.3.1. 空き家バンクに登録する方法もある
- 1.4. 近隣住民|空き家を無料で譲りたい
- 1.5. 税理士|空き家にかかる税金について相談したい
- 1.6. 司法書士|空き家の登記について相談したい
- 1.7. 弁護士|空き家に関するトラブルを解決したい
- 2. 空き家の放置を避けるべき理由
- 2.1. 雑草や雑木で近隣に迷惑がかかる
- 2.2. 不法侵入や放火のおそれがある
- 2.3. 修繕費用が増加する
- 2.4. 資産価値が下がる
- 2.5. 固定資産税がかかる
- 3. 空き家の活用方法4選
- 3.1. 戸建て賃貸
- 3.2. シェアハウス
- 3.3. 民泊
- 3.4. トランクルーム
- 4. 空き家の売却方法
- 4.1. 中古住宅として売却する
- 4.2. 古家付き土地として売却する
- 4.3. 空き家をリフォームして売却する
- 4.4. 空き家を解体し、更地にして売却する
- 5. 空き家の売却を考えているなら買取業者に相談しよう
空き家について相談できる窓口
空き家について相談できる主な窓口は、次の7つです。
空き家について相談できる主な窓口
- 窓口1:不動産会社
- 窓口2:解体業者
- 窓口3:自治体
- 窓口4:近隣住民
- 窓口5:税理士
- 窓口6:司法書士
- 窓口7:弁護士
それぞれの窓口で対応可能な相談内容を詳しく解説します。
不動産会社|空き家の売却や活用を検討している
空き家の売却や活用を考えているときは、不動産会社に相談するのがおすすめです。
特に、空き家の所在地にある不動産会社であれば、エリアの相場に応じた適正な売却価格を提示してもらえるでしょう。
また、空き家が収益を生む物件として活用できる可能性についても、具体的なアドバイスを受けられます。
実際に不動産会社に相談したところ、解体を検討していた空き家に価値があることが判明し、想定以上の価格で売却できたケースもあります。
空き家の処分や活用に悩んでいるのであれば、不動産会社に一度問い合わせるのがおすすめです。
すみやかに売却するなら不動産買取業者
少しでも早く空き家を売却したい方は、不動産買取業者の利用がおすすめです。
不動産買取業者は、売主と売買契約を結び、空き家を迅速に買い取ります。
したがって、空き家の所有者が買い手を見つけたり、買い手が現れるまで待ったりする必要がありません。
このように不動産買取業者は取引のスピードが早いため、すぐにでも空き家を手放したい場合や、空き家の処分に時間をかけられない場合に最適です。
売却価格にこだわるなら不動産仲介業者
空き家をできる限り高値で売却したい方は、不動産仲介業者へ依頼すると良いでしょう。
不動産仲介業者は、売主と買主の間に立ち、売買契約のサポートを行います。
不動産仲介業者であれば、市場動向を踏まえた適正な販売価格を設定するため、高値で売却できる可能性があります。
ただし、空き家の条件によっては売却に時間を要したり、希望価格で売却できなかったりすることもある点に注意が必要です。
解体業者|空き家を解体して処分したい
空き家の解体処分は、解体業者が行います。
解体には数百万円もの費用がかかるうえに、更地にすると固定資産税が高くなるため、空き家を取り壊すべきか悩んでいる方も多いです。
しかし、老朽化した空き家を放置することにもリスクがあります。
補助金制度を利用すると解体にかかる費用の負担を抑えられる場合もあるため、処分したい空き家がある方は解体業者に相談するのがおすすめです。
自治体|空き家の売却を相談したい
空き家の売却を考えている場合は、自治体に相談する方法もあります。
近年は空き家の増加が問題となっているため、空き家の相談窓口や補助金制度を設けている自治体も多いです。
自治体に問い合わせると、空き家の売却や活用方法、補助金の利用などについてアドバイスを受けられます。
空き家バンクに登録する方法もある
地域活性化を目的に、空き家の売却を支援する「空き家バンク」というサービスを提供している自治体もあります。
空き家バンクとは、空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐマッチングサービスです。
空き家バンクは登録が無料で、仲介手数料がかからないうえに、売主や買主に対して助成金が支給されることもあります。
不動産会社に依頼してもなかなか買い手が見つからないような、条件が悪い空き家でも登録できることもメリットです。
ただし、自治体が売買の仲介をするわけではないため、売却価格の設定や買い手との交渉は自分で進める必要があります。
近隣住民|空き家を無料で譲りたい
空き家の処分に困ったときは、近隣の住民に相談するのも方法の一つです。
近隣住民のなかには、「庭や駐車場を作りたい」「自宅の近くに子ども夫婦や親の住宅を建てたい」と考えている方がいるかもしれません。
「無償であれば譲ってほしい」と申し出てくれる場合もあるため、近隣の住民に話を持ちかけてみても良いでしょう。
税理士|空き家にかかる税金について相談したい
空き家に関する税金について知りたいときは、税理士に頼ります。
売却時には譲渡所得税、賃貸に活用する場合は不動産所得に関する税金が課税されるなど、空き家にはさまざまな税金がかかります。
空き家の取り壊しを検討している場合は、固定資産税についても知っておくべきです。
税理士に相談すると、空き家に関する税金のアドバイスや税金の申告手続きのサポートを受けられるほか、節税に関する情報を提供してもらえる可能性もあります。
司法書士|空き家の登記について相談したい
司法書士に相談すると、空き家の登記に関する悩みを解決できます。
空き家を売却する際は、売主と空き家の名義人が一致していなければなりません。
しかし、空き家の相続登記がきちんと行われていなければ、過去にさかのぼって名義変更が必要になる場合があります。
複雑な名義変更になると専門家のサポートが必要になるため、司法書士に相談してスムーズに手続きを進めましょう。
弁護士|空き家に関するトラブルを解決したい
空き家の相続や売却などでトラブルが起きたときの相談先は、弁護士が最適です。
空き家を相続する際に遺産分割でもめたり、遺言の内容について親族と意見が対立したりといったトラブルが起こることが考えられます。
また、空き家が共有名義になっていることで、売却が円滑に進まないケースもあります。
当事者だけで解決が難しいトラブルが生じた場合は、弁護士に相談して専門的なサポートを受けることが大切です。
空き家の放置を避けるべき理由
放置された空き家はさまざまな問題を引き起こす可能性があり、早急な対処が必要です。
以下では、空き家の放置を避けるべき理由について解説します。
雑草や雑木で近隣に迷惑がかかる
空き家の敷地内に生える雑草や雑木が伸びると、隣家の敷地にはみ出して建物を傷つけたり、歩行者の通行を妨げたりするおそれがあります。
雑草や雑木が生い茂ると地域の景観が損なわれ、害虫や害獣が棲み着く可能性も否定できません。
近隣に迷惑をかけるほど荒れた空き家は「特定空き家」に指定され、自治体による改善の勧告や命令を受けることがあります。
それに伴い、固定資産税が増額されたり過料が科せられたりする場合もあるため、空き家とその敷地を適切に管理し、早急に売却や解体などの対策を講じることが大切です。
不法侵入や放火のおそれがある
人が住んでいない空き家は不法侵入の標的になりやすく、トラブルを引き起こす可能性があります。
また、空き家にゴミが不法投棄され、放火の対象になるケースも少なくありません。
このように空き家は犯罪の温床になり、地域の治安を悪化させてしまうおそれがあります。
すぐに売却や解体などの処分ができない空き家であれば、防犯カメラの設置や巡回などの防犯対策を行うようにしましょう。
修繕費用が増加する
放置された空き家は老朽化が進み、修繕に膨大な費用がかかるようになります。
たとえば、屋根や外壁が劣化すると雨漏りが発生し、空き家の内部が腐食したりカビが生えたりして修繕費がかさむことがあります。
また、シロアリの被害を受けると空き家の強度が低下し、最悪の場合は倒壊するおそれもあるでしょう。
老朽化に伴う修繕費用の増加を抑えるには、空き家でも定期的なメンテナンスが必要です。
資産価値が下がる
空き家を放置すると、空き家自体の資産価値を下げることにつながります。
建物は築年数とともに劣化が進むものですが、適切な管理が行われない場合、その劣化はさらに加速して資産価値の低下を早めてしまうケースが多いです。
その結果、空き家を手放そうとしたときに売却価格が大幅に下がったり、引き取り手が見つからなかったりすることがあります。
放置期間が長くなるほど空き家の資産価値も下がるため、早急に売却や修繕、解体などの手を打つことが大切です。
固定資産税がかかる
利用されていない空き家でも、所有しているだけで固定資産税がかかり続けます。
また、放置された空き家が「特定空き家」に指定されると、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、最大6倍まで税負担が増加する可能性があります。
活用されない空き家に税金を払い続けるのは避けたいところです。
税負担を軽減させるために、空き家の活用や売却を検討してみましょう。
空き家の活用方法4選
空き家をうまく活用すると、収益源となる可能性があります。
以下では、人気が高い空き家の活用方法を4つ紹介します。
戸建て賃貸
空き家の有効な活用法の一つとして、リフォームを行い「戸建て賃貸」として活用するケースが多く選ばれています。
戸建て賃貸に活用するメリットは、借り手がつけば安定した家賃収入を得られることです。
特に、戸建て賃貸は長く住み続ける入居者が多いため、長期的な収入が見込めます。
リフォームにより住みやすい環境を整え、空き家を魅力的な賃貸物件に生まれ変わらせてみるのも一つの方法です。
シェアハウス
「シェアハウス」は、近年注目されている空き家の活用方法の一つです。
一つの物件を複数の入居者が借りるため、家賃を合計すると大きな収益になります。
また、複数人が住むことで空室リスクが低くなり、安定した収入が期待できる点もメリットです。
シェアハウスは一般的な賃貸物件よりも賃料が割安なことから、若い世代に人気です。
利用者のニーズに合わせてリフォームすれば、人気のシェアハウスになるかもしれません。
民泊
インバウンド需要の高まりに伴い、一戸建ての全部または一部を宿泊用に貸し出す「民泊」としての利用も関心を集めています。
空き家を民泊に利用すると収入を得られるだけでなく、宿泊客が周辺で飲食や観光を楽しむことで、地域経済の活性化にもつながります。
空き家対策に民泊を推進している自治体もあるため、観光地に近いエリアに空き家を所有していれば、民泊としての活用を検討しても良いでしょう。
トランクルーム
管理の手間を抑えるなら、「トランクルーム」として活用する方法がおすすめです。
トランクルームは物を保管する場所であるため、管理の手間がかかりません。
既存の建物をそのままトランクルームに活用すれば最低限のリフォームで済み、初期費用も抑えられます。
また、立地条件があまり良くない空き家であっても、トランクルームとして利用すれば一定の需要が期待できます。
空き家の売却方法
空き家を売却する方法にはいくつかの選択肢があります。
空き家を売却する代表的な4つの方法を紹介します。
中古住宅として売却する
建物があまり劣化していない場合や立地が良い場合は、中古住宅としてそのまま売却できることがあります。
中古住宅として売却できれば、修繕や解体の手間をかけずに手放せるため、負担が少なくて済みます。
しかし、空き家の状態や立地条件によっては、買い手がつくまでに時間がかかるかもしれません。
まずは不動産仲介業者に依頼して売り出し、反応が悪ければ不動産買取業者に買取を依頼したり、リフォームや解体を検討したりしても良いでしょう。
古家付き土地として売却する
築年数が古く、価値がつかない空き家は「古家付き土地」として売却する方法があります。
この場合も、空き家をリフォームしたり解体したりすることなく、そのままの状態で引き渡せます。
ただし、建物のない同じ面積の土地と比較すると、古家付き土地は売却価格が低くなりやすいことがデメリットです。
古民家として需要がある場合や、解体しても再建築が難しい場合もあるため、不動産会社に相談してみましょう。
空き家をリフォームして売却する
空き家をリフォームすると建物としての価値が高まるため、より高い価格で売却できる可能性があります。
劣化した箇所を修復するだけでなく、キッチンやトイレなどの水回りを整備し、壁紙を新しくすることで、空き家の魅力が引き出されます。
リフォームにより住環境が整えば、好条件で売りに出すことが可能です。
しかし、リフォームにコストをかけすぎると、費用を回収できない場合があるため、計画的に進めることが大切です。
空き家を解体し、更地にして売却する
老朽化して修繕しようにもコストがかかりすぎる空き家は解体し、更地にしてから売却するのも方法の一つです。
更地で売却すると、買主は解体費用がかからず、住宅を建てる場合もすぐに着工できるメリットがあります。
したがって、古い空き家がある土地よりも、更地の方が買い手がつきやすい傾向があります。
ただし、空き家の解体にはかなりの費用がかかるうえに固定資産税が増えるため、十分な検討が必要です。
空き家の売却を考えているなら買取業者に相談しよう
今回は、空き家の活用や処分を検討している際に利用できる相談窓口を紹介し、空き家の活用方法や売却方法についても解説しました。
古い空き家だからといって、買い手がつかないわけではありません。
中古住宅として売却したり、リフォームにより価値を高めて引き渡したりすることもできます。
しかし、修繕や解体が難しい空き家の場合、処分に困ることもあります。
条件が良くない空き家を売却したい方は、スマイル空き家買取センターにご相談ください。
スマイル空き家買取センターは、長年放置されて老朽化した空き家のような、引き取り手が見つかりにくい物件を専門に扱う買取業者です。
ほかの不動産会社で売却できなかった空き家でも、スマイル空き家買取センターに一度ご相談ください。

有限会社アティック取締役の橘田浩志です。2000年にデザイン会社として創業。出版を中心に雑誌や書籍などのデザインを手がける。2013年より不動産賃貸業を始める。アパート、区分マンション、戸建てなど様々な物件を購入。他にシェアオフィス 「原宿テラス」や民泊の運営など不動産を活用する事業も並行して行う。2023年より不動産業として日本全国の戸建物件の買取再販、東急世田谷線沿線専門仲介などの事業をスタート。