田舎の土地を処分するにはどうすればいい?売却するコツや売れない理由

相続などで田舎にある土地を所有することになったというケースが増えています。

土地を無料で手に入れられたものの、固定資産税や都市計画税などが毎年発生し、持て余してしまうことも多いのです。

しかしながら、田舎の土地とは処分や売却が難しいイメージがあり、土地を処分しきれず泣き寝入りしてしまうパターンも少なくありません。

そこで今回は、田舎の土地のような処分しづらいイメージのある不動産でも処分、売却する方法を詳しく解説します。

田舎の土地でも、処分するための方法はさまざま存在します。

さらに、田舎の土地が売りづらい理由や、田舎の土地を売る場合のワンポイントアドバイス、さらには田舎の土地を所有し続けるリスクについてもあわせて解説しているため、不要な土地を所有している場合などにぜひ参考にしてみてください。

目次

そもそも田舎の空き家が売れないのはなぜ?

田舎の土地や空き家が売れないことには、以下のような理由があります。

田舎の空き家が売れない理由

  • 土地の価値が低い
  • 立地条件が悪い
  • 用途が制限されていることがある
  • 整備されていない
  • 土地が広すぎる

以下からは、さらに「田舎の空き家が売れない5つの理由」についてより詳しく解説します。

理由1:土地の価値が低い

田舎、言い換えると「地方」からは人口が流出し続けています。

現在、都市部に人口が集中する傾向にあります。

つまり地方にある土地は、年々需要が下がっているため、価値が低くなり続けているのです。

また、地方には農家が比較的多いものの、高齢化が進み新たに土地を購入して開梱するような体力がある農家は少ない傾向にあります。

さらに地方自治体も、土地の購入を行うための体力不足であるとされています。

やはり人口の減少により税収が減衰し、地方財政は悪化の途にあるのです。

このため、過疎が進み財政の逼迫しつつある地方での土地処分は今後さらに難しくなると見込まれています。

理由2:立地条件が悪い

田舎にある土地は、以下のように立地条件に問題があることがあります。

田舎の土地の問題点(立地条件)

  • 最寄り駅まで、徒歩では行けない
  • 生活インフラ施設(病院・学校・商業施設など)に行くためには車が必須である
  • 通勤や通学、買い物などのお出かけに交通手段(車・バイク・自転車など)が必要である

こういった土地は、地元の不動産屋であっても売却しづらいものです。

昨今の地方ブームを鑑みても、例えばまだ子供の小さい若い家族が移住候補とした際に、相当融通のきく働き方ができる職種でもない限り、こうした立地条件の悪い地方は選ばれづらいものです。

令和に行われた、不動産業界における「新規に住宅を買う人向けアンケート」でも、半数以上が立地条件に満足しなければ購入を見送るとの回答を提示したそうです。

田舎の土地とは、こうした生活に不便そうな立地であるイメージを持たれています。

理由3:用途が制限されていることがある

土地とは、国によって用途が制限されており、任意に売却などができないことがあります。

例えば、個人所有の土地であっても農地転換したのであれば、農家にしか売却できなくなるのです。

この理由は、農地の残存率が食料自給率などに関する国策に影響するためです。

一方、都市部でも以下のように土地の用途が制限されていることがあります。

市街化区域:都市開発や施設の新築が優先される地域

注意点:すでに市街地である区域、および「10年以内に計画的に市街化を進める地域」が含まれる。

市街化調整区域:市街化を「抑制」する目的が設定されている地域

注意点:「サービス業以外」での土地利用が優先。

非線引都市計画区域:市街化・市街化調整区域でなく、都市計画区域に含まれる地域

注意点:特になし

土地とは一般の方が手放した場合、国や自治体のものとなるため、このように厳格な制度が存在します。

そのほか、オフィス街で高層ビルが増えすぎないように、住宅地が確保できるような指定地域や、京都など伝統的な景観を持っていたり軽井沢のように別荘が多い地域は、景観を守るための制度が存在します。

このため土地の処分や転用をする場合は、地域ごとの指定区域ルールも事前に確かめておかねばなりません。

理由4:整備されていない

田舎の土地に建てられた建物とは、手入れが行き届いていないことがあります。

そのため建物の老朽化が進み、庭などが非常に歩き辛かったり、整備用具が置けなかったりするほど植物が群生することがあります。

このような状態では、なかなか買い主が見つからないものです。

都会から田舎に移住しようとする方は、新生活に明るいイメージを持っています。

このため、「管理されていない家」といった現実を目の当たりにした場合、購入意欲が亡くなってしまうのです。

また、そういった悪条件を飲み込んだとしても、景観を元に戻す作業だったり、リフォームを施すための費用負担も移住者が行うことになります。

自分のためとはいえ、費用負担に難色を示した場合、やはり購入を見送る結果が得られてしまってもおかしくはありません。

理由5:土地が広すぎる

田舎の土地とは得てして広大であることがあります。

この広大であるという特徴も、買い手側から嫌気される要因です。

土地が広いすぎることのデメリットは活用方法が見当たらないことです。

土地の広さを持て余してしまうのです。

さらに、事前にその土地を買う際にはその広さの分、購入費用がかさみます。

そこで後述するように、田舎の土地を売却する際には土地分割なども手段として選ばれがちです。

また、使わない土地をアパート・マンション用地としてさらに売却するといった方法もあります。

売れない田舎の土地を処分する9つの方法

売れないイメージがつきまとう田舎の土地ではあるものの、実際には手を尽くすことで処分や売却に至ることもあります。

一例として、以下の方法があります。

売れない田舎の土地を処分する9つの方法

  • 不動産仲介を利用する
  • 専門の買取業者に買取を依頼する
  • 自治体に寄付をする
  • 近隣住民に譲渡・売却する
  • 法人に譲渡する
  • 賃貸物件として利用する
  • 土地を活用する
  • 農地委員会からの斡旋を受ける
  • 相続放棄をする

そこで以下からは、売れないとされる田舎の土地でも処分や売却につなげる9つの方法について、当該方法によりかかる費用や注意点を交えながら詳しく解説します。

不動産仲介を利用する

手っ取り早い空き家処分の方法は、不動産会社の仲介により、空き家の買い主を探すことです。

一般的に不動産仲介業者は、店舗をはじめとしてインターネット広告や折り込みチラシなどで売り出し中の物件があることをPRをします。

不動産仲介業者は不動産売買の知識、ノウハウを持っているため個人で売却を行うよりもスムーズに物事が運びます。

また、「売却活動のため、現地に自分自身が常にいなくても良い」ことは大きなメリットともなるのです。

費用

不動産仲介業者に土地売却を依頼すると、仲介手数料が発生します。

しかしながら、この仲介手数料とは成功報酬制であり、土地売却が実現しないのであれば発生しません。

仲介手数料の金額は「宅地建物取引業法」の46条と国土交通省の「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」により、以下のように上限が設定されています。

仲介手数料の金額の上限

  • 土地の売買価格が200万円以下:売買価格×5%+消費税
  • 土地の売買価格が200万円超~400万円以下:売買価格×4%+2万円+消費税
  • 土地の売買価格が400万円超:売買価格×3%+6万円+消費税

注意点

不動産会社に空き家売却の仲介を依頼すると、かなり長期化することがあります。

やはり地方であること、立地条件や管理状況が買い主の興味に大きく影響を及ぼすのです。

売却機関が長期化すると、それだけ建物自体の築年数を増やしてしまうことにつながり、より敬遠される要素が得られてしまうことにもなります。

また土地が売れないことで、さらにその期間は固定資産税がかかり続けるのです。

不動産仲介業者によっては、田舎の土地売買を専門としていないこともあります。

この場合、不動産仲介業者の社内において田舎の土地がいわゆる「後回し」にされてしまうことも起こりえます。

しかしながら、その実態は顧客に知らされることはありません。

また、その地方自体に不動産業者がいない可能性があることも注意点です。

当該地方を担当している仲介業者を見つけること自体が困難なことがあります。

専門の買取業者に買取を依頼する

仲介業者に依頼したのでは売れ残ってしまう、あるいは田舎であるデメリットを看破した仲介業者により仲介を断られてしまう土地である場合は、仲介業者に任せるという方法が選択できません。

そこで、「訳あり住宅や土地専門の買取業者」に買い取りを依頼するのです。

訳あり物件専門の買取業者とは、田舎の土地というマイナス要件を抱えても利活用したり売却、処分するための知識やノウハウ、再販ルートを持ち合わせています。

例えば、再販ルートでは独自のリストなどを活用します。

独自のリストには、一般的な住宅地検討車だけでなく、「不動産投資家」や「カフェオーナー」、「ペンション、民泊事業者」などがラインナップされています。

また訳あり物件に関するノウハウや知識とは、単純に売り抜けるためだけのものではありません。

専門の買取業者とは、訳あり物件でも「いかに手を加えれば、別の用地としての意味を成すようにできるのか」、「どのようなリノベーションやリフォームであればコストパフォーマンスがよいか」というようなノウハウや知識を持っているのです。

したがって、買い取りによって決して業者側が損害をこうむることがないため、買い取りという処分方法を実現するのです。

さらに専門の買取業者は独自のルートで不動産売買を行っているぶん、売却が素早く行われる可能性も高いです。

売る側が、買い手の提示する額などに満足すれば、数日程度での売却も可能となります。

また、専門の買取業者に売却することで「契約不適合責任」が免責となります。

契約不適合責任とは、以下の意味を持ちます。

契約不適合責任

引き渡した不動産に「契約書に記載されていない不具合」があった場合に売った側が負わなければならない責任

例えば、個人間のやり取りで古民家などを売却した際、後から害虫が発生すると売った側が買った側から契約不適合責任を問われます。

すると売った側は、「建物の修繕費用」や「売買契約の取り消し」に応じなければなりません。

この責任は、消費者契約法8条により定められています。

しかしながらこの内容は個人に対しての適用であるため、買取業者が取り扱ったのであれば、宅建業法40条により、売る側の契約不適合責任が免責されるのです。

所有者すら把握しきれていない建物や土地の不具合を見抜けないまま、個人間で売買のやり取りをするにはこうしたリスクがあるため、専門の買取業者に売却するメリットは高いといえます。

費用

最終的な売却先が「店舗」などであり、リフォームやリノベーションが必要だったとしても、その費用は買取業者が負担するため、土地の所有者は売却益のみを手にすることができます。

また、業者への売却であるため仲介手数料自体が発生しません。

注意点

専門の買取業者であれば家財などの搬出も請け負ってくれることが多いものです。

しかしながら、家財搬出は担当しない業者もたまに存在するため事前に確認してください。

また、こういった諸条件をクリアできる業者を探すこともポイントです。

専門の買取業者が集まる一括査定サイトなどに土地の情報を打ち込むなどして、各社から見積もりをとってみてください。

多くの業者から見積もりを得ることで、大体の土地価格の相場感も把握でき、以後の交渉を有利に進めやすくもなります。

自治体に寄付をする

自治体や市区町村は、土地の寄付を受け付けている場合があります。

そこで、不要な土地の寄付を自治体に持ちかけてみることで土地処分につながる可能性があるのです。

「相続放棄」の期間が過ぎてしまってから、持て余している土地がある場合などに有用な方法といえます。

費用

自治体の寄付であるため、この処分方法では売却益は得られません。

一方、土地の手放しに成功すれば、固定資産税や都市計画税などからは解放されます。

また、自治体のどの課が担当しているかを調べるといった時間的コストが発生します。

さらには、寄付に応じる条件を設定している自治体もあり、そちらの条件に合わせたリフォームなどが求められることがあるため、どうしても寄付したいのであればリフォーム費用などは自己負担となるため、下記注意点とあわせて留意して下さい。

注意点

寄付であるため、無料での土地手放しである点は注意すべきです。

一方、寄付という行為は自治体や市区町村側にとって、「税金の減衰」を意味します。

それは「寄付の受け入れ」という行為においては、寄付された土地の分、固定資産税や都市計画税がなくなることと同義であるためです。

このため、自治体によっては寄付について諸条件を設定していることがあることに注意してください。

近隣住民に譲渡・売却する

ハンデが多いと感じる田舎の土地ではあるものの、近くに他の住人がいる場合は譲渡や売却に応じてくれることがあります。

近隣住民が田舎の土地を譲り受ける可能性がある理由は、例えば以下の通りです。

近隣住民が田舎の土地を譲り受ける可能性がある理由

  • 地元企業が社員寮などを必要としている
  • 地元企業や農業従事者などが駐車場を必要としている
  • 地元住民や工場が、資材や大型機械などを収容する倉庫を必要としている

こうした「土地に対する需要」を持つ相手を探し出すことができれば、土地の譲渡はスムーズに進みます。

探し方は、以下のように地道なものになります。

「土地に対する需要」を持つ相手を探す方法

  • 土地の周辺に立て看板を設置する
  • 口コミを広げる(知り合いづてに土地を手放したい旨を周知してもらう)
  • 近所の企業の従業員などと会話してみる

費用

譲渡で土地を処分する場合、以下の税金が課税されることがあります。

土地を処分する際に発生する税金

  • 譲与税
  • 印紙税
  • 登録免許税

こうした税金は、譲渡する側、譲渡を受ける側のどちらが負担するかも議論のテーマになりがちです。

そのため土地の譲渡においては、話し合いでお互いの妥協点を追求することが必要となります。

注意点

土地の譲渡や売却における税負担をどちら側が担当するかについては、着地点が見つからずに揉めてしまう可能性がある点に注意です。

また、地元で譲渡・売却先を探すとなるとその探し方が非常に地道なものとなり、時間的コストや交通費などが常に発生することになります。

法人に譲渡する

法人が土地の譲渡に応じることがあります。

法人が土地の譲渡を受ける理由は以下の通りです。

法人が土地の譲渡を受ける理由

  • 新規事業を始めるための用地が必要だから
  • 社宅や社員寮を設置するため
  • 保養所を建てるため
  • 土地周りにかかる費用を経費として計上することが可能であるため(個人では不可能、一般企業の場合「みなし譲渡所得税」が発生)

上記の理由から、公益法人(社団法人や学校、自社、NPO法人など)をターゲットにした場合譲渡がスムーズに進む可能性が高まります。

公益法人を探したい場合、近隣で探すか自治体、市町村区役所などへの相談をしてみてください。

費用

土地の寄付を行う際、「所有権移転登記費用」が発生します。

この所有権移転登記は、専門家である司法書士に依頼するとスムーズです。

しかしながら、報酬も費用として発生します。

所有権移転登記と司法書士費用の両者を合計すると、10〜30万円ほどの費用が必要です。

注意点

土地の寄付を行った際、「所有権移転登記」にはまとまった費用がかかります。

そのためこの登記費用を売り主と買い主のどちらが負担するのかについて、しっかりと話し合って決めておきましょう。

また寄付が成立すると、寄付した側に所得税、寄付された側に贈与税が課される可能性があるります。

税金が発生するパターンは、「寄付した先が法人であり、一般企業」の場合です。

つまり寄付先が個人、自治体の場合は寄付先が課税されません。

発生した譲渡所得について「みなし事業所得」とされ、課税が起こります。

寄付先が公益法人の場合は、所定の手続きを行うと、譲渡所得について非課税となります。

賃貸物件として利用する

田舎の不要な土地でも、手を加えることで賃貸物件化が可能です。

本方法は、土地自体を「借地」や「定期借地」とする方法です。

借地となった場所は第三者に貸し出して利用させます。

例えば、借地とは第三者による以下のような利用方法が考えられます。

第三者による借地の利用方法

  • 工場化
  • アパート、社宅化
  • 倉庫建設

費用

土地の上に何か建造物がある場合、更地にする必要があります。

更地化、つまり家の解体費用は木造であれば3万円/坪、鉄骨造が4万円/坪、鉄筋コンクリート造で5万円/坪となります。

例えば、木造80坪の家を更地化するのであれば、240万円の費用を見込んで下さい。

更地化の費用は、土地の所有者である貸主が負担するケースが多くなります。

また、土地を借地として貸し出すことができれば家賃収入を得ることが可能となるのです。

更地化などの初期費用を家賃収入で補えるのであれば、借地化を選択する意味はあるといえるでしょう。

注意点

土地を貸し出す方法として、土地の上に建物が存在する場合は初期費用として更地化などの解体費用がかかります。

また、土地を借りる相手の算段が立っていないで更地化などをしてしまった場合、借り手が見つかるまでに相当の時間を要し、初期投資および相続税や住民税、固定資産税といった支出の回収ができなくなる可能性が高まり、赤字経営となってしまいます。

さらに借り手が見つかっても、適切な賃料設定をしなければ評判が下がってしまうのです。

土地の貸し出しは、採算がとれるようなシミュレーションの上で実行しなければなりません。

土地貸し出しに関するリサーチには、地元不動産業者などへ協力を仰ぎ、周囲にどんな人々が住んでいるのかを聞くことも有用です。

土地を活用する

空いている土地であれば、自分で新たに建物を建設し、借家を造るなども可能です。

さらには以下のような活用方法もあります。

土地の活用方法

  • アパート、マンション経営
  • 老人ホーム、サービス付き高齢者住宅経営
  • シェアハウス運営
  • 太陽光発電設備用地
  • 駐車場経営
  • 農地化

空いている土地とは、このように手段を尽くせば収益化につながる方法があるのです。

費用

土地の上に空き家などがある場合は、転用までのスパンが短くできることもあります。

しかしながら、何もない状態では、貸与や農地化などそれまでとは異なる枠組みで建造物を運用することになります。

そこで、建築基準法などに沿ったリノベーションや更地化などを検討しなければなりません。

各手段において、更地化や建物建設などの費用が発生することは避けがたいものです。

注意点

転用による土地活用は、無謀に進めてしまうと大きなリスクとなります。

例えば周囲に同様の施設がある場合には、後から当該事業に参入するのと同じです。

レッドオーシャン化した市場に乗り込むことは、素人にとっては厳しいものです。

例えば、周辺に駐車場の数が飽和しているときなどが該当します。

このような状態では、予測した収入が得られるとは限りません。

むしろ、予定より減収してしまうリスクが高まります。

土地活用専門サイトなどでは、賃貸経営の専門家などからアドバイスを受けることもできます。

アドバイスの中では、建築プランや収支計画書などのサンプルも提供されることがあるため、一度相談に及ぶことも検討してみてください。

農地委員会からの斡旋を受ける

もし、不要になってしまった土地が「農地用」である場合は、農地委員会の斡旋が受けられます。

農地委員会からの斡旋を受けると、その後「農地を貸借・購入したい」方が現れた際、同斡旋により土地の引き渡しが行われます。

費用

自分の土地として農地を利用し続ける場合は、管理のための費用負担、時間的コストなどが継続的に発生し続けます。

特に、農地では常に農作物を育てていなければ農地としての認定がされないため気をつけたいところです。

一方、市民農園といった形で貸し出しに成功すれば、家賃収入のような定期収入を得ることができます。

定期収入が発生すれば、管理費や人件費、固定資産税をまかなうことも可能となります。◉-8-2、注意点

農地は国内における「食料自給率」と密接に関わるものであると認定され、所有者ですら土地活用が簡単にできません。

このため、もし違うことに農地を使いたいのであれば、さまざまな許可が必要です。

さらに農地としての認定を持続させるために、常に農作物を育成していなければなりません。

相続放棄をする

もし田舎の土地を、望まない相続のような形で手に入れてしまった場合は、当該相続を放棄することが可能です。

相続放棄を行うことで、「土地を相続する権利」が放棄できます。

しかしながら、相続放棄とは土地だけに適用されるわけではありません。

相続放棄を行うと、本来相続するはずだった「被相続人の資産すべて」についても相続放棄することになります。

これは相続放棄が、被相続人の借金なども含め、預貯金や家といったあらゆる資産と関わりを持たなくする意義を持つ制度であるためです。

の制度だからです。したがって、土地の相続だけを放棄するということはできません。

また、

したがって、まだ相続放棄の対象期間内にある場合は、相続する予定の土地とほかの資産とをしっかり把握したうえで、どうしても土地が売れなかったり活用できなかったりする場合に相続放棄を検討してみてもよいでしょう。

費用

自分で相続放棄する場合は、3,000~5,000円程度の費用が相場です。

しかしながら相続放棄とは専門的な法的手続きであるため、弁護士や司法書士に依頼することも考えられます。

弁護士のような専門家に相続放棄の手続きを依頼すると、報酬が発生します。

専門家への相続放棄手続きの依頼報酬は、費用として数万円を見込んでください。

注意点

相続放棄をするためには、「『被相続人の死亡を知った日』から3か月以内」に手続きをしなければなりません。

しかしながら、同3か月以内に「相続放棄における熟慮期間の伸長」を申請可能です。

同伸長の申請を行えば、相続放棄が可能となる期限をさらに「3か月」伸ばすことができます。

田舎の土地をスムーズに売る2つのコツ

売却という手段で田舎の土地を処分したい場合、知っておくと便利なコツが2つあります。

売却のコツとは、適切な価格設定と土地の分割です。

以下からは、その2つのコツについて詳しく解説します。

コツ1:適切な価格を設定する

田舎の土地を売却で処分する場合、価格設定を適切に行わなければなりません。

高い価格では、当然売りづらくなります。

さらに実際の土地売買では購入希望者から「値引き交渉」が提示されることもあります。

このため、広告などに提示する売り出し価格と、実際に売買契約が結ばれた際の成約価格は乖離することが一般的であり、成約価格とは売り出し価格よりもさらに低くなるのです。

令和以降の土地売り出し価格と成約価格の関係は、首都圏エリアでは「土地の成約価格は売り出し価格の90~92%」で推移しています。

そのため、実際に土地が売れた時の売却代金とは、最初に提示した価格の9割程度であると想定して、売り出し価格を決めてみてください。

土地価格の相場感を知るためには、国土交通省が運営する「土地総合情報システム」を使うと便利です。

土地総合情報システムには、不動産売買の当事者に対するアンケートを情報源とした成約価格の相場が記載されているのです。

また仲介業者を通して土地売買をする際にも、安すぎる価格にしてしまうと仲介手数料が低くなるため、仲介業者のモチベーションに影響してしまうことを覚えておきましょう。

実際に仲介業者を使う際には、一括査定サイトなどを利用してみて相場を把握することも必要です。

コツ2:土地を分割して売却する

土地は分割することで、その土地の価値や魅力を上げることもできます。

土地を分割すると、必然的に面積が狭まり、価格も下がります。

田舎にありがちな、あまりに広大な土地であると、購入者も使いみちを持て余してしまうのです。

また、土地の分割には「測量」と「分筆登記」が必要です。

測量や分筆登記には専門知識や計測器具が必要であり、「土地家屋調査士」に同手続きを依頼することになり、費用と時間を要します。

田舎の空き家を所有し続けるリスク

田舎の空き家を所有し続けるリスクとして考えられるのは、以下の3つです。

土地の活用方法

  • リスク1:固定資産税が発生し続ける
  • リスク2:地価が下がっていく可能性が高い
  • リスク3:近隣トラブルが発生する可能性がある

リスク1:固定資産税が発生し続ける

土地を所有し続けると、毎年1月1日時点での当該土地の所有者に対して「固定資産税」がかかります。

固定資産税とは土地の所有により発生するため、当該年において一切利用せず住んでいなかったとしても発生します。

もし支払いを怠った場合には、延滞税が課せられることもあるのです。

田舎の固定資産税とは一般的に都市部よりも低くなりがちではあるものの、必ず発生するコストであり確実に自己の資産を減らしてしまいます。

固定資産税の計算方法とは、以下の通りです。

固定資産税の計算方法

固定資産税=固定資産税の課税標準額×1.4%

また、その土地に「居住用の家屋」が建設されているのか、更地なのかによって固定資産税の額は変動します。

更地の場合は軽減措置が適用されない

もし所有する田舎の土地が更地だと、建物ありの場合よりも固定資産税と都市計画税が高くなります。

建物が建っている土地の固定資産税および都市計画税の計算方法とは、以下の通りです。

200㎡以下の部分(小規模住宅用地)200㎡を超える部分(一般住宅用地)
固定資産税課税標準額が1/6課税標準額が1/3
都市計画税課税標準額が1/3課税標準額が1/3

もし当該土地が更地の場合、上記のような軽減措置などは発生しません。

リスク2:地価が下がっていく可能性が高い

直近10年において、全国の土地価格は平均17%下落しています。

この減少は、少子高齢化による人口の減少と関連しています。

つまり、今後も土地の価格は下がり続ける傾向にあるのです。

バブル期のような、土地を持っているだけで自分の資産の時価総額が上がり続けるようなことはしばらくないといえます。

田舎とは今後も人口が減少すると見込まれます。

つまり、田舎に土地を持ち続けることは資産価値が年々下がっていくことを意味するのです。

リスク3:近隣トラブルが発生する可能性がある

田舎に所有している土地に建物が立っている場合、もしくは建物が建っていなくても植物などが群生している場合、所有者が遠方に住んでいると管理がしづらいものです。

田舎の土地管理をおろそかにしてしまうと、建物が劣化し、損壊が起きた際に周囲の道路において通行をしづらくしてしまうというような迷惑をかけることがあります。

さらに、空き地であると思って子どもたちが侵入し、怪我をすることもあります。

また植物の群生は、やはり近隣の道路を通行しづらくするなど公共の迷惑となり得るのです。

建物がある場合、反社会的勢力のたまり場とされ、犯罪の温床となり地域そのものに悪影響を与えることとなります。

こうした現象を起こしてしまうと、土地の所有者が責任を問われます。

田舎に土地を所有していることで、このような近隣トラブルが起こりやすくなってしまうのです。

田舎の土地を持ち続けるとより売れにくくなることも!確実に処分したい場合は専門の買取業者に依頼しよう!

今回は、田舎の土地を所有していた場合に処分・売却する方法について解説しました。

そもそも、田舎の土地とは制限がかけられていたり、価値が低く立地条件にも問題があることが多いのです。

そんな田舎の土地でも、売却や処分、活用方法は存在します。

諸条件がクリアできるのであれば、手放さずに利用し、投資回収などすることも可能です。

どうしても土地を処分したい場合は、専門の買取業者に相談してみてください。

訳あり物件専門の買取業者は、田舎の土地というハンデある不動産であっても売却・処分する知識、ノウハウを持ち得ているため買い取りに応じるのです。

田舎の土地とは、所有しているだけでも固定資産税や近隣トラブルの元となってしまうなどリスクが多くなります。

もし土地を処分したくなった場合は、本記事を参考に、自身に適した方法に取り組んでみて下さい。

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