廃墟処分なら専門の買取業者に売却するのが一番!注意点や信頼できる業者の選び方も解説

所有する物件が廃墟化してしまうと、処分が難しくなります。

しかしながら物件が売れないその間にも、廃墟にまつわるさまざまなリスクが高まり続けます。

廃墟とは、訳あり物件専門の買取業者に売却することがもっとも手早く手放せる方法です。

専門の買取業者に廃墟を売却すれば、さまざまなリスクから解放されるだけでなく売却益まで手に入れることが可能です。

そこで今回は、廃墟の処分で専門の買取業者を利用するための方法について詳しく解説します。

そもそもなぜ建物が廃墟化してしまうのか、廃墟化した建物が抱えるリスクがどのようなものなのかについても合わせて説明しているため、ご自身や親族などに何らかの心当たりがある際にはぜひ参考にしてみてください。

さらには、実際に訳あり物件専門の買取業者を利用する上での業者選びの方法、優良な買取業者とはどのようなものかについても解説しています。

もし実際に廃墟を処分したいと考えている場合は、買取業者での売却の流れなどについても解説しているため、 そちらもぜひ参考に売買契約に進んでみてください。

目次

廃墟は専門の買取業者に依頼するのが一番である理由

廃墟とは使い勝手が悪いため、一般の顧客に対する売買がスムーズには運ばない場合があります。

そんなときでも、訳あり物件専門の買取業者であれば廃墟を素早く買い取ってくれることがあります。

ほかにも、専門の買取業者に対し物件を売却するメリットは多く、各メリットは以下の通りです。

専門の買取業者に物件を売却するメリット

  • どんな物件でも買い取ってもらえる
  • リフォーム、修繕、解体費用を一切かけずに売却できる
  • 契約不適合責任が免責される
  • 現金化までのスピードが速い
  • 仲介手数料がかからない

そこで以下からは、専門の買取業者に廃墟を買い取らせるべき理由のそれぞれについて、より詳しく解説します。

理由1:どんな物件でも買い取ってもらえる

廃墟とは管理が行き届いていないため、あらゆる瑕疵がある物件でもあるといえます。

しかしながら専門の買取業者であれば、そういった瑕疵を気にせず買い取りに応じるため利用が推奨されるのです。

廃墟とは持ち主の名義がどうなっているかが不鮮明だったり、再建築不可物件、共有持分など考えられる限りのさまざまな「ワケアリ」であることが多いものです。

そういったワケアリをすべて織り込んだ、そのままの状態な上で、訳あり物件専門の買取業者は物件を買い取ります。

「なぜこんな厄介な物件の買い取りに応じるのか」と不思議に思うことがあるかも知れません。

専門の買取業者が訳あり物件の買い取りに応じる理由は、端的に述べると「どんな物件でも利活用できる応用力を備えているため」です。

訳あり物件専門の買取業者は、廃墟のように再利用が難しそうな物件でも、何らかの用途で使えるよう蘇らせるためのノウハウ・知識を持っています。

地方にある廃墟であれば、地方の特色を活かした古民家風カフェにリニューアルしたり、和風なコワーキングスペースやシェアハウスとして再建築したりなどが可能です。

さらには、こうした不動産に対する投資家やカフェオーナーといった顧客リストをも所有しているため、あらゆるニーズに答えることができるのです。

家賃収入が見込めるような建物として廃墟を生まれ変わらせることができれば、売却した側も、新しく所有した側もWin-Winの関係となります。

一方、仲介業者とは廃墟の取り扱いをしていないことが一般的です。

仲介業者の顧客とは「一般人である個人」であるため、廃墟を改装して再利用しようとはしません。

修理や改修が前提の物件は、一般人にとって非常にハードルが高いのです。

理由2:リフォーム、修繕、解体費用を一切かけずに売却できる

地元の仲介業者や空き家バンクなどを通して廃墟を販売する場合、損傷箇所を回収したり、不具合のある部屋などをまるごとリフォームするなど「人が住める状態」「何らかの事業ができる状態」あるいは「更地」にしなければなりません。

必ずリフォームや改修などをしなければならないわけではないものの、リフォームや改修、更地化などを行わない状態で廃墟が売れることはないといえます。

不動産とはそれなりのコストがかかる買い物となるため、買い手に「メリット」がない商品なのであれば、市場において見放されてしまうのです。

廃墟を戸建てだと仮定すると、リフォーム費用の相場は200万円~1000万円となり、かなりの費用といえます。

さらには、リフォームを行っても立地条件が悪い(交通機関から離れている、生活インフラが近くにない、など)場合は「リフォーム済みの物件」であっても売却の可能性がほぼないといえます。

しかしながら、訳あり物件専門の買取業者はこうしたリフォームなどを要求せず買い取りに応じるのです。

リフォームや改修費用を捻出しなくてもよいどころか、売却益まで手に入ることはメリットといえます。

理由3:契約不適合責任が免責される

契約不適合責任とは、「売却した物品などが契約内容と異なるものであった」という場合に、売った側が買った側に対して「払い戻しを認める」といった責任を負わなければならないという制度です。

廃墟については、所有者ですらどのような瑕疵があるかをすべて正確に把握することは難しくなります。

このため、特約で契約不適合責任の一部またはすべてを免責とする手立ては買う側にとって相当な不利になるため、仲介での売却は困難を極めると想定されます。

一方、訳あり物件専門の買取業者とは物件を直接買い取るのです。

個人が法人に物件を直接売却した場合、売る側の契約不適合責任は免責となります。

これは買取業者の考え方が、買い取った物件の瑕疵は想定内であり、それらを修繕したり建て直したりすることを前提としているためでもあります。

このため、仮に物件の主要な柱などが害虫被害を受けており、すぐにも倒壊しそうな状況であったとしても、買取業者はそちらごと解体するため損害賠償請求などは起こり得ないのです。

理由4:現金化までのスピードが速い

買取業者に対しては直接、廃墟を売却することになります。

このため、仲介業者を通して買い手を探すのではなく、買取業者自身が買い手ということになります。

廃墟の所有者側が、業者の提示する買取額に納得さえすれば、その場で売買契約が成立し、現金化が可能です。

買取業者とは売買契約の流れが速いことも特徴的であり、査定額に納得ができた場合、次の日にも「売買契約」を結び、数日後には「決済」や「引き渡し」に移行できます。

速い業者では、「最短3日」といったスピード感を売りにしているところも存在します。

仲介業者に廃墟の売却を依頼すると、まず買い手を探さなければなりません。

そうした買い手自体も、廃墟のようなワケあり物件の活用方法を知っているわけではありません。

したがって、仲介業者に廃墟の売却を依頼しても、まず相手が見つからなかったり、見つかってからが勝負であるようなケース(廃墟の損傷度合いについての合意、売却額についての合意など)がありえます。

仲介業者に買い手を探してもらう方法では、買い手が見つかるまでに数ヶ月を要します。

しかも「早ければ数ヶ月中に」といった意味で仲介業者が売れるまでの期間を提示することもあり、数年経っても買い手が見つからないことがあります。

買い手が見つからない間の廃墟についての管理、固定資産税などは所有者がそのまま負担することになり、大きなコストがかかるのです。

理由5:仲介手数料がかからない

買取業者は仲介を行うわけではなく、業者自身が買い取り側であるため、廃墟の持ち主に対して仲介手数料は発生しません。

直接買い取りという形で廃墟の売買が行われる以上、仲介人が存在しません。

仲介手数料とは、「400万円以上の物件」の売買が決まった場合、「売買価格×3%+6万円」という金額になります。

もし1000万円で廃墟を売却したのであれば、仲介手数料は「1000万円×3%+6万円」という計算式により、36万円となるのです。

また、売買価格が200万円に満たない場合の仲介手数料は「売買価格×5.5%」となり、仲介業者にとっても実入りの少ない額となります。

この仲介手数料は、訳あり物件専門の買取業者に直接廃墟を売却したのであれば、当然発生しません。

専門の買取業者に物件を売却することで、廃墟処分に関わる経費の削減も実現できるのです。

そもそもなぜ建物は廃墟化するのか?

廃墟とは、はじめからボロボロだったわけではありません。

それでは、なぜ建物が廃墟になってしまうのかについて考えてみましょう。

廃墟とは、住宅や商業施設といった形があったものの、以下のような理由で「廃墟化」してしまったのです。

建物が廃墟化してしまう理由

  • 遠方に住んでいるため建物の維持管理が難しい
  • 費用がかかるため建物を修繕・解体できない
  • 更地にすると固定資産税が高くなるから建物の体をなしているだけ
  • 売却活動をしても売れない
  • 空き家バンクに登録しても引き取り手が見つからない

以下からは、建造物が廃墟化してしまう理由について、より詳しく解説します。

<1>遠方に住んでいるため建物の維持管理が難しい

建造物とは、建てれば以降は何もしなくてよいということはありえず、長期的な視野で使い続けるためにも「管理」をしなければなりません。

しかしながら近年、相続などでいつの間にか望まないうちに遠方にある住宅などを所有するケースが増えています。

建物が遠方にある場合、適切な管理は難しいものです。

さらに地方にある古い家であったりする場合は、資産価値が低く見積もられ、所有者が変わっても放置されがちです。

こうして地方にある物件とは売却も難しいため行われず、管理されないまま存在し続け、老朽化を招きます。

老朽化が進んだ建物とは、もはや手がつけられないような「倒壊」などをも招く状況ともなってしまい、廃墟化してしまうのです。

<2>費用がかかるため建物を修繕・解体できない

建物とは、築年数に応じて劣化します。

この劣化は、建物の評価額を決定する際にも考慮されるほどであり、管理されていない家屋とは何らかの瑕疵を持っているのです。

建物に劣化が生じると、以下のようなさまざまな事象が起こり、大小あらゆる工事が必要となります。

建物の劣化と必要な工事

  • 雨漏り→屋根の防水工事
  • 壁の剥がれ→外壁の塗装工事
  • 水場のトラブル→給排水管の交換工事
  • その他→給湯器・トイレなどの設備交換工事

各種工事・設備交換では「数十万円~数百万円」という費用が発生します。

家屋の持ち主が、こちらのすべての劣化を修繕するための費用を捻出できないケースも存在します。

したがって、こういった劣化が修繕されないままなのであれば、各種トラブルの発生源により、いずれ劣化がさらに進み、当該住居や住居内設備を利用できないほどの状態となってしまうのです。

<3>更地にすると固定資産税が高くなるから

危険をともなった状態の廃墟でも取り壊しがされていないのは、「土地の上に住居がある状態だと固定資産税の減額措置が受けられるから」という理由に基づくものかも知れません。

土地の上に家屋があれば、「住宅用地の特例」として固定資産税や都市計画税が減額されます。

税金優遇の適用を受けたあとの税額は、元の課税額の1/3、あるいは1/6といった値となるため、なんとしてでも「住居」を土地の上に残しておきたい状況となるのです。

住宅の特例がなくなった状態、つまり更地の状態では、当該不動産の固定資産税は3倍か6倍となります。

こうした「固定資産税を抑えるために、なんとしてでも住居という建前だけでも残したい」と考える廃墟の所有者が多ければ、おのずと空き家が増える原因となるのです。

<4>売却活動をしても売れない

廃墟のように不要になった空き家を売りに出したいと、不動産仲介などを利用して買い手を探すケースが存在します。

しかしながら大抵の場合、仲介では廃墟が売却できることはありません。

不動産仲介とは、各種物件の買い手を見つけるために売却活動をします。

この売却活動によって買い手が見つかり、売買契約が成立すれば、仲介業者は成功報酬として仲介手数料を手に入れることになります。

しかしながら、もし仮に廃墟が売却できても仲介手数料はわずかな額となります。

この理由は、以下の通り仲介手数料とは「物件の売却額の大きさ」に依存して増えるためです。

仲介手数料

  • 土地の売買価格が200万円以下の場合の仲介手数料:売買価格×5%+消費税
  • 土地の売買価格が200万円を超える~400万円以下の際の仲介手数料:売買価格×4%+2万円+消費税
  • 土地の売買価格が400万円を超える際の仲介手数料:売買価格×3%+6万円+消費税

廃墟ともなれば、ただでさえ敬遠されているところをさらに値下げしなければ売買のスタート地点にも立つことができないのです。

さらに仲介手数料とは成功報酬であるため、売買が成立しなければ永遠に発生しないものです。

廃墟を売却したところで大きな金額にはならず、しかしながら懸命に売却活動をしなければ売買契約にはつながらない「廃墟」とは、こういった理由から仲介業者にとっても「熱心に売却活動をする対象」からは外れがちとなってしまいます。

<5>空き家バンクに登録しても引き取り手が見つからない

空き家バンクとは各自治体が任意に運営している、空き家の持ち主と利用したい人をつなげる情報ポータルサイトです。

不要な空き家の所有者は、「手放したい物件」として当該物件の情報を空き家バンクに掲載します。

一方、空き家が欲しい利用者は、空き家バンク内で自分の要望に合う物件を探す、といった方法でそれぞれサイトを利用することになります。

しかしながら、こうした方法で物件を掲載すれば、即座に売買や譲渡の契約ができるというものではありません。

空き家というだけで一般的には需要が低く、廃墟ともなると所有してからの何らかの修繕やリフォーム工事などが前提となるため、引き取り手自体がなかなか現れない場合が多いのです。

このように、自治体のポータルサイトを利用しても引き取り手が見つからず売れ残ってしまうような物件とは、より放置され廃墟化が進んでしまうことになるのです。

廃墟となった建物を放置するリスク

廃墟とは、管理不足により廃墟化が進んでしまった結果といえます。

管理不足によるリスクとは、普通の建物が見た目の悪い廃墟となってしまう以外にも、以下のようにさまざまな種類存在します。

廃墟となった建物を放置するリスク

  • 税金を支払う必要がある
  • 近隣の治安が悪化する
  • 近隣住民からクレームが入る
  • 老朽化によって倒壊する
  • 特定空き家に指定される

そこで以下からは、廃墟を放置し続けるリスクについて、より詳しく解説します。

リスク1:税金を支払う必要がある

廃墟とは形などがいかにボロボロであっても、固定資産なので固定資産税、自治体によっては都市計画税が発生します。

建物の状態や土地の面積により税額は変動するものの、固定資産税とは毎年必ず発生するコストともいえます。

例えば廃墟化してしまう前の建物が一戸建てだった場合、1年間に課税される固定資産税額はおよそ10万円~15万円ほどです。

つまり、何の利用もしていない建物を所有しているだけでも毎年10万円単位の費用が発生し、数年の放置をしてしまえば、トータルの固定資産税額が何百万円となってしまうことも起こり得ます。

リスク2:近隣の治安が悪化する

廃墟とは管理が行き届いていないからこそ廃墟化したともいえるため、所有者の放置により建物だけでなく土地自体が荒廃し、周囲環境に悪影響を与える原因をも生み出します。

廃墟が周囲環境に悪影響を与える理由として、管理不足による建物倒壊で壁材などの破片が行動に散らばったりすることも挙げられるのです。

それだけでなく、廃墟とは「人が立ち入らない建物」とみなされることで以下のように悪用され、犯罪の温床となる可能性があります。

廃墟の悪用事例

  • 不審者に不法占拠される
  • 犯罪者が拠点として利用、たまり場となる
  • 庭の手入れが行き届いていないことを利用し、違法製造や栽培が行われる
  • 不要物が不法投棄される
  • 放火される

廃墟がこうした悪用をされ、近隣に何らかの被害が起きた場合、廃墟の所有者に損害賠償が請求されることにもなるのです。

リスク3:近隣住民からクレームが入る

廃墟とは適切な管理が行われなかった結果、それまでは何の瑕疵もなかった建物が廃墟化してしまうため、より荒廃が進みます。

廃墟とは、ところどころ建物が破損していたり、草が生い茂ってしまうなど、存在しているだけで景観を損ねます。

さらには虫や動物が住み着いてしまったりすると、害虫や危険生物が繁殖し、周囲の家屋にも入り込んでしまうのです。

廃墟に原因があり、害や危険のある生物の発生源となってしまったことが発覚すれば、被害を受けた周囲の住民たちからクレームを受けることになります。

さらに物損など被害が深刻化した場合は、近隣住民から損害賠償請求を受けることもあり得るのです。

リスク4:老朽化によって倒壊する

人が住んでいない建物とは、「倒壊」をしてしまうリスクが多く存在します。

それは建物内の除湿などが行われないことで、建物に湿気がたまったり、掃除がされないことにより積み重なった埃などの重さなどがかさみ、害虫のすみかとなり、内部の腐食が進行してしまうためです。

「倒壊」という事象は、内部の腐食が進行すればいつ起きてもおかしくない上に、被害規模がどの程度になるかも予測ができません。

隣の家が近ければ、隣の家のガラスどころか壁をも貫通して破壊してしまう可能性もあり、道路に廃墟の壁材や金属などがはみ出してしまい、公共の迷惑となることもありえます。

過去の家屋倒壊の例では、家の崩壊に巻き込まれた一般の方が死亡してしまう事故となり、損害賠償請求額は億単位にもなったというケースがあるほどです。

廃墟とは放置されがちなため倒壊という致命的なアクシデントを起こすリスクがあり、実際に倒壊してしまえば何らかのクレームどころか、損害賠償請求は避けがたいものだといえます。

リスク5:特定空き家に指定される

廃墟に限らず、「管理をされていない空き家」という程度であっても、自治体によって「特定空き家」という指定を受けることがあります。

特定空き家とは、周囲に危険を及ぼすことが予想されうる建物が指定されるのです。

特定空き家に指定されると、所有者にとっては以下のようなさまざまなデメリットが起こります。

特定空き家に指定されるデメリット

  • 特定空き家に指定された建物が住宅だった場合、固定資産税の優遇措置である「住宅用地の特例」の適用がなくなり、固定資産税が最大で6倍になる
  • 危険な家屋であることを理由に、自治体から「勧告」を受けることがあり、この勧告を無視して建物の管理がなされず、状況に改善が見られない場合は50万円以下の罰金が科されることがある
  • 特定空き家とは、危険度の高まりや警告の回数にともない、行政の決定により建物の強制的な解体が行われる。解体費用は所有者の負担による

「空家等対策の推進に関する特別措置法」によると、下記のような条件を満たしてしまうことで特定空き家に指定されることになります。

特定空き家に指定される条件

  • 倒壊の恐れがある場合
  • 衛生上、有害な影響を周囲に及ぼす恐れがある場合
  • 景観を大きく損う場合
  • 「周辺の生活環境維持」のために、放置する選択はすべきでない場合

このように、所有する家屋が特定空き家に指定されれば、負担が大きくなることが予想されます。

利活用予定がない廃墟を所有しているのであれば、何らかの手段により手放すことが得策といえます。

空き家とは、売却して手放すべきです。

近隣トラブルや特定空き家への指定が不安なら早めに専門の買取業者に売却しよう

建物が廃墟となってしまうと、その廃墟化に伴うさまざまなデメリットが存在します。

しかしながら、廃墟の売却は非常に難しいものです。

特に不動産仲介を利用して買い手を探す場合は、少しでも市場の目に止まりやすくなるようにリフォームや改修を施さなければならなくなるなど所有者側に相応の負担が要求されます。

しかも、当該負担により手を施した家屋であっても、「絶対に決まった期間内に売却できる」という保証が得られるわけではありません。

廃墟をどうしても早く、売却により処分したい場合には「訳あり物件専門の買取業者」に依頼するという方法があります。

専門の買取業者であれば、廃墟でも直接の買い取りが可能です。

廃墟というデメリットの付随する物件を買うことで、業者が損してしまうと考えられがちではあるものの、専門の買取業者とは「訳あり物件」に関する利活用知識を兼ね備えているため、まず業者側が損をすることはないという営業構造を当該業者は実現しています。

例えば専門の買取業者が廃墟を買い取った場合、業者が自費でリフォームなどを施します。

適切なリフォームなどの改装作業により、廃墟は商品化できるのです。

元は廃墟ではあるものの、改装のような工程で「付加価値」を与えることができれば、当該建物の自社運用や一般販売、事業転用などが可能となります。

専門の買取業者が「訳あり物件」を専門としていればいるほど、売買の知識やノウハウ、実績が蓄積されているため、信頼できるといえます。

こうした構造となっているため、以下のような建物の「廃墟度合い」はほぼ関係なく売却できるのです。

廃墟度合い

  • 廃墟が遠方にある
  • 物理的距離などを起因として管理不足である
  • 廃墟化した建物をすぐに現金化したい
  • 「売却」であれば結果は問わない
  • 廃墟の処分に伴い、手間や費用をかけたくない

さらに以下からは、訳あり物件専門の買取業者に廃墟を売却する上での注意点や信頼できる業者の選び方、さらには実際に廃墟の買い取りを依頼する場合の進め方について深堀りして解説します。

廃墟を売却する際の注意点

実際に廃墟を訳あり物件専門の買取業者に売却しようとする場合、どんな業者に売却してもいいとはいえません。

廃墟を売却する相手を選ぶ場合は、専門の買取業者の中でも「廃墟」の扱いに長けている業者を選ぶべきであり、その際以下のような注意点があります。

廃墟を売却する際の注意点

  • 専門の買取業者でない場合は買い取ってもらえない
  • 悪徳業者に依頼すると安い価格で買い叩かれる

さらにそれぞれの注意点について、以下から詳しく解説します。

注意点1:専門の買取業者でない場合は買い取ってもらえない

廃墟を売却する場合は、その相手が本当に「廃墟も専門分野としている買取業者」であるかどうかを調べましょう。

もし当該業者が買い取りに応じている場合でも、廃墟の扱いについては経験や実績がないのであれば買い取りが成立しないことがあります。

業者が「専門」を銘打っていても、廃墟の取り扱い経験があるかどうかは、ぱっと見た程度では判明しません。

この理由は、業者ごとに不動産についての得意分野が異なるためです。

廃墟の取り扱いが得意な業者とは、どれほど手のかかる状態の家屋であっても適切な処理を施し、自ら買い取った以上の額で再度販売する技術を持ち合わせています。

廃墟が得意でない業者の場合も上記と同様の手直しといった手順を踏むものの、当該業者が取り扱う不動産とはそこまでの重大な手直しが必要なわけではないのです。

つまり廃墟を専門としない業者の場合、廃墟の取り扱いによりリフォーム額が再販額を下回ってしまうといった状況が起こり得ます。

廃墟の取り扱いについて知識がない業者の場合、こちらが売りたい物件が廃墟であると解った瞬間に、買い取りを拒否される可能性があります。

注意点2:悪徳業者に依頼すると安い価格で買い叩かれる

廃墟の取り扱いに詳しくない買取業者とは、こちらが売却しようとしている廃墟を限りなく安値で買い取ろうとする、つまり「買い叩き」をする可能性があります。

廃墟の再販売のポイントは、大幅な改装を施して「商品化」することです。

廃墟を含む訳あり物件専門の買取業者とは、廃墟買い取りから改装、再販売までの綿密なプランニングが可能であり、顧客も納得でき、かつ自らも損をしない売却額が設定できます。

廃墟についてのノウハウ・実績がない買取業者の場合は、商品化にともなう最終的な「収益化」の算段も立てられません。

そこでこうした専門外の業者は、廃墟とは可能な限り安く買い取って、すぐに少しでも需要がありそうな相手に流すといった行為しかできないため、非常に低い額でなければ取引に応じないのです。

信頼できる買取業者の特徴

廃墟を訳あり物件専門の買取業者に売却する際には、以下のような特徴を持つ優良な業者を選ばなければなりません。

信頼できる買取業者の特徴

  • 査定額が高い
  • 廃墟の買取実績が豊富
  • 交渉に応じてくれる
  • 対応が速い
  • 口コミ・評価が高い
  • 行政処分歴がない

そこで以下からは、信頼に足る買取業者の特徴それぞれについて詳しく解説するため、廃墟を売却する業者選びの参考に活用してください。

特徴1:査定額が高い

廃墟の売却を行う場合、複数の買取業者をピックアップしてください。

ピックアップした業者すべてに対して、「査定」を依頼することが重要です。

この過程を通じて、あらゆる視点を根拠とする売却額の提示を受けることができます。

このことで売却する自身に「相場観」のような知識が得られ、いわゆる買い叩きのように業者側がこちらの足元を見ようとする行為や査定額の見分けがつくようになるのです。

適切な査定額の見分け方としては、単純に額が高く提示され、その額である「根拠」が確固たるものであるかどうか、になります。

不動産とは、周囲環境も含めて価値が決まるといった側面があるためあくまで一例ながら、業者が提示する場合の信頼に足る根拠とは、以下の通りです。

業者が提示する場合の信頼に足る根拠

  • 近隣の取引事例から買取額を算出した
  • 過去の売買実績を参照し、近い条件の物件の買い取り事例から判断した

悪質な買取業者とは、販売額の根拠を提示しなかったり、根拠の内容が曖昧だったりします。

さらには、査定時と実際の契約直前に買取価格を下げてくるような交渉を持ちかけてくることがあるため、必ず断りましょう。

特徴2:廃墟の買取実績が豊富

廃墟を売る場合は、当該廃墟を買い取る側の業者に「豊富な廃墟の買い取り実績」があると契約がスムーズに進みます。

廃墟の買い取り実績が豊富であるということは、自身が廃墟を転用して確実に利益を出す知識やノウハウも備えている業者であることを意味します。

また買取業者自身の買い取り実績が豊富であればあるほど、自社サイトなどに「過去の買取事例」を掲載しているはずです。

過去の買取事例も、ひとつやふたつではなく多数の事例、さらには詳細な写真なども掲載しているはずであり、事例が多ければ多いほど売却する側も比較可能となるため安心できます。

写真を公開している過去の売り主であれば、「当時の売買契約がどのように進んだか」などのこちらからの質問などに応じてくれる可能性も高いです。

さらにはテレビやラジオ、雑誌のような各種メディアでの掲載実績なども信頼を測るポイントです。

各種有名なマスコミ媒体とは、信頼や実績のない企業を自己のの媒体に取り上げることはないためです。

もし廃墟を売却する業者を選ぶ場合は、その業者が過去の取引情報などを公開しているか、各種メディアに掲載された実績があるかどうかなどを、自社サイトなどを閲覧して確かめてみてください。

特徴3:交渉に応じてくれる

廃墟の買い取り先を選ぶ段階では、さまざまな査定額が提示されます。

この時、各社の査定額を根拠として交渉を行うことがあります。

交渉が起こり得る代表的なケースとは、「高額を提示した業者」と「条件のよい(信頼性の高い)業者」が異なる場合です。

こうした状況では、後者について「他社ではこのような見積額となり、あなたの会社よりも高い結果となった」といった切り口から交渉をしてください。

このときに交渉に応じる業者とは、「信頼性が高い」といえます。

この交渉とは、買い取りの値段を実際に上げさせることを第一目的とするものではありません。

もちろん売却額が増えることは望ましいものの、「素人からの交渉に応じる」という柔軟さを持っている業者であれば、その後のやり取りでも好対応を行う可能性が高いのです。

交渉においては、当該買取業の担当者を信頼している旨を強調してみてください。

「自分が納得できる額」とは個人差があるものの、一番高い買取額を提示した業者と信頼できそうな業者の提示額が数万円程度の差である場合は、信頼できる業者に買い取りを頼むべきだといえます。

この理由は、信頼できる業者を選んだほうが今後のやり取りにおけるリスクが低い可能性が高く、売却後に「契約不適合責任の免責特約」がなかったといったトラブルを避けやすいためです。

特徴4:対応が速い

買取業者とは、廃墟でも別の物件であっても「直接買い取り」を行うことが特色です。

直接買い取りとは仲介業者に売却を依頼するよりも物件の処分が早く、内容に合意できれば売却額もすぐに手に入れられます。

例えば買取業者の中には、査定額の見積もりを提示した次の日に売買契約を結び、その翌日に決済・引き渡しに進むといった「三日間」での買い取り完了を済ませられる例もあります。

しかしながら、一般的に仲介業者に廃墟の売却を依頼すると、個人の買い手を探すことになり、この買い手を探す過程に数ヶ月、もしくは半年以上の時間的コストが必要となるのです。

特に廃墟であれば、通常は不動産市場的にも需要がない物件であるといえます。

半年で買い手が見つかれば早い方であり、年単位で見ても物件が売れないこともありえます。

このように買取業者の中でも、丁寧かつ迅速な決済へ売り手を導こうとする相手であれば信頼性は高いといえるのです。

特徴5:口コミ・評価が高い

訳あり物件専門の買取業者に廃墟を売却したい場合、当該買取業者の世間からの評判を調べてみてください。

インターネット上の不動産に関する情報ポータルサイトなどでは、各買取業者の「口コミ」や「お客様の声」が記載されています。

口コミやカスタマーからの声とは「世間からの評価」であるため、信頼度の高い内容です。

特に両者は、手書きの状態で店頭に掲示したものを情報サイト上に掲載しているのであれば、より信頼性が高いといえます。

インターネット上の口コミであればGoogle Mapsなどで当該店舗の情報を開いた際に得られる「Googleのクチコミ」を開いてみてください。

「Googleのクチコミ」とは投稿者のGoogleアカウントと紐付いているため、嘘や信頼性の乏しい情報が投稿しづらい環境となっているのです。

口コミやお客様の声の評価が高い業者なのであれば、これまでの利用者は当該業者のサービス内容に満足しており、業者自体も信頼できるといえるのです。

このように、業者を選定する際は当該業者の過去実績だけでなく、世間からの情報も選定上の根拠とするように心がけてみてください。

特徴6:行政処分歴がない

廃墟に限らず、不動産処分について何らかの業者を通す場合は、当該業者が「行政処分歴」がないかどうかを確認してください。

例えば不動産売買を行うためには、「宅地建物取引業許可」が必要です。

不動産会社とは、当該許可を得た上で、宅地建物取引業法に従って営業活動を行わなければなりません。

宅地建物取引業法に違反した業者とは、「行政処分」を受けることになります。

過去に当該業者が宅地建物取引業法に違反したかどうかの履歴は、国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」に掲載されます。

もし不動産処分の過程で悪質業者を引き当ててしまうと、トラブルに遭いやすくなります。

悪徳業者とは、廃墟のようなワケあり物件とは相場が低い市場にあると見積もって介入してくるため、買い叩きが平然と行われることもあります。

このため、関わろうとしている業者が決まり次第、過去の宅地建物取引業法違反を調べることは必須としてください。

専門の買取業者に廃墟を売却する際の流れ

実際に廃墟を訳あり物件専門の買取業者に売却する際には、いくらかのステップを経て実施することになります。

買取業者に廃墟を売却する際の、簡易な流れは以下の通りです。

STEP1:問い合わせ

廃墟を売却で処分することを決めたら、買取業者をピックアップしてください。

ピックアップした業者の公式サイトには「査定および相談フォーム」が存在します。

このフォームから、所有する廃墟の無料査定を依頼しましょう。

もしくは、廃墟についての相談などでも大丈夫です。

フォームには必要な個人情報や物件情報を入力してください。

個人情報の公開が気になる場合は、実際に売買契約を結ぶまでは仮名でも可である買取業者を選んでください。

もちろん、執拗に細かい個人情報をフォーム上で入力させようとする買取業者は信頼性が高いとはいえないので回避しましょう。

STEP2:調査・査定

フォームからの問い合わせで連絡が進むと、買取業者が廃墟の「査定」や「調査」に訪れることになります。

買取価格の最終的な決定には、実際の廃墟の状態を確かめる過程が必要であるためです。

買取業者の担当者が廃墟を訪問してチェックする項目とは、例えば以下の通りです。

買取業者の担当者が廃墟をチェックする主な項目

  • 立地環境
  • 建物の状態
  • 周辺環境

STEP3:価格交渉

廃墟の調査・査定が住むと、廃墟の所有者と買取業者の間で価格交渉が行われます。

この過程を儲けない買取業者は信頼性が低いといえるため、注意してください。

売却額について合意が得られなければ、売買契約には至りません。

価格の交渉におけるポイントは、「他の買取業者が提示した査定結果・査定額」を自己の有利に使うことです。

他社と現在の業者を比較することで、相手からできる限り高い売却額を引き出しましょう。

スピード感を重視する場合は、実際の資料を用いながら「直前に相談した会社は貴社より◯万円高い額を提示している。しかしながら売却の条件や担当者との馬が合わない。もし貴社が◯万円以上の買取額を提示するのであれば、即決したい」のように聞いてみてください。

資料を活用する際は、最低限必要な情報だけを相手に提示することがポイントです。

STEP4:売買契約・決済

廃墟の所有者と買取業者の間で売却額について合意が得られれば、売買契約を結ぶことになります。

この際、売買契約書の締結を行います。

売買契約書には、買取価格や条件などが記載され、必要な条件を揃えることで当該書類の内容に「法的効力」を持たられるのです。

売買契約は、買取業者の店舗か廃墟の所有者宅で行います。

廃墟を売却する者と買取業者の両名が、契約書に「署名」と「押印」を行えば契約が完了します。

続いて、契約締結の当日あるいは後日に「廃墟の鍵や書類」と「買取金額」の引き渡し(決済)が行われ、こちらで廃墟売却の手続きは完了です。

廃墟を売却するなら、廃墟の買取実績が豊富な買取業者に依頼しよう!

今回は、廃墟を所有した場合に売却で手放す方法について解説しました。

廃墟の売却は「訳あり物件専門の買取業者」に依頼することが手っ取り早い方法です。

そもそも廃墟とはその荒廃具合や抱えているリスクを理由となり売りづらく、通常の不動産仲介などでは買い叩かれることが起こりえるためです。

廃墟とは、所有し続けることであらゆるリスクが発生するため、長期の所有はおすすめしません。

そこで、廃墟の取り扱いが可能な専門の買取業者に売却手続きを依頼しましょう。

廃墟を売却する買取業者は過去の実績や社会的な評価、口コミなどを総合した上で選定し、いきなり物件を売るのではなく、各社からははじめに査定や見積もりを得ることを忘れないでください。

専門の買取業者に廃墟を売却する流れは、問い合わせ→調査・査定→価格交渉→売買契約・決済というステップを踏むことになり、最短であれば3日など数日のうちに実現します。

もし、持て余している廃墟がある場合には、訳あり物件専門の買取業者へ相談してみてください。

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