空き家を放置するとどうなる?リスクや対処法を詳しく解説

空き家を所有している方の中には、時間が経つうちに管理の手が行き届かなくなり、最終的に空き家を放置してしまっているというケースも少なくありません。

しかし、空き家を放置することでどのようなリスクが発生するのか、具体的に把握している方は意外と少ないのではないでしょうか?

この記事では、空き家を放置することのリスクや、それに対する具体的な対処法をわかりやすく解説していきます。

空き家の管理や活用方法について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

放置される空き家が増加!その背景とは?

まず、なぜ放置される空き家が増えているのか、その背景を理解することが大切です。

空き家が増加する主な理由は以下の3つです。

世帯分離で実家が余る

現代の日本では、進学や就職、結婚を機に実家を離れて独立するケースが非常に多く見られます。

例えば、地方に住む両親が亡くなり、相続によって実家を引き継いだとしても、相続人にはすでに別の生活拠点があるため、実家が空き家として残されることがよくあります。

忙しい日常の中で、相続した家の管理が手付かずになり、結果的に放置されてしまうのです。

更地にすると固定資産税が上がる

空き家を解体して更地にすると、固定資産税が大幅に上がるため、解体せずにそのまま放置されるケースも多いです。

具体的には、「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」によって、住宅が建っている土地は固定資産税が軽減されます。

しかし、建物を取り壊して更地にすると、この特例が適用されなくなり、固定資産税が増えてしまうため、多くの人が解体に踏み切れないのです。

新築物件の需要が高い

日本では、中古物件よりも新築物件の需要が高い傾向があります。

これは、特に都市部で顕著です。古い家を相続しても、新築志向の強い購入者が多いため、売却が難しく、空き家のまま放置されてしまうことが少なくありません。

たとえ築年数が浅くても、リフォームや修繕が必要な物件はなかなか買い手がつかず、管理も面倒なので放置されることが増えています。

空き家を放置したらどうなる?リスクはある?

空き家を放置すると何が起きるのでしょうか?

実は、空き家をそのままにしておくことには多くのリスクが伴います。

ここでは、代表的なリスクを5つ紹介します。

資産価値が下がるリスク

家というものは、人が住んでこそ維持されます。

空き家を放置していると、定期的な換気や掃除が行われず、湿気がこもりやすくなります。

これによって、家の内装や外装が劣化しやすくなり、結果として資産価値が大きく下がることになるのです。

例えば、長期間放置された家では、雨漏りが発生しても気づかず、そのままにしてしまうことがあります。

雨水が浸入すると、柱や壁が腐り、さらにシロアリの被害を受けることも。

こうなると修繕費がかさむだけでなく、家全体の構造が弱まり、解体せざるを得ない状況に陥る可能性もあります。

近隣住民に悪影響を与えるリスク

空き家を放置しておくと、家が老朽化して倒壊のリスクが高まります。

台風や大雨の影響で、屋根や塀が崩れ、通行人に怪我をさせるなどの事故が起きるかもしれません。

また、老朽化した建物が隣家に被害を及ぼす可能性もあります。

例えば、ある空き家の塀が崩れ、隣家のガレージを壊してしまったという事例もあります。

この場合、空き家の所有者が修繕費を負担しなければならなくなるため、大きな経済的負担が発生します。

さらに、庭の草木が伸び放題になると、虫や野生動物が発生し、衛生的にも悪影響を与えます。

犯罪に巻き込まれるリスク

空き家は不法侵入や放火、不法投棄などの犯罪に巻き込まれるリスクが高くなります。

誰も住んでいない家は、犯罪者にとって侵入しやすく、放火などのターゲットにされることが多いのです。

例えば、放置された家にゴミが不法投棄され、そのゴミが原因で火災が発生したというケースもあります。

さらに、家の中が荒らされたり、残された物が壊されたりすることもあります。

人が住んでいない家は、管理が行き届かないため、こうした犯罪に巻き込まれやすくなります。

固定資産税の軽減措置が受けられなくなるリスク

空き家が「特定空家」に指定されると、固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性があります。

特定空家とは、放置されたままの状態が原因で危険な状況を招いていると自治体に判断された空き家のことです。

特定空家に指定されると、自治体から改善を求める助言や指導が行われ、改善されなければ「勧告」されることもあります。

この勧告を無視すると、固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、従来の数倍の税金を支払わなければならなくなる場合があります。

行政代執行を受けるリスク

空き家が特定空家に指定され、自治体からの改善指導に応じない場合、最終的には「行政代執行」が行われる可能性があります。

これは、自治体が所有者に代わって空き家を解体するなどの措置を講じるものです。

行政代執行が行われると、その費用はすべて所有者の負担となり、支払えない場合は不動産の差し押さえや公売にかけられる可能性もあります。

空き家を放置しないための対処法とは?

空き家を放置することには多くのリスクが伴いますが、ではどのように対処すればよいのでしょうか?

ここでは、空き家を適切に管理・活用する方法について具体的に見ていきます。

空き家を定期的に管理する

「将来的に使うかもしれない」と考えている場合は、定期的に空き家を管理することが大切です。

定期的に換気を行い、劣化を防ぐためのメンテナンスを行うことで、家の状態を良好に保つことができます。

また、庭の草木の剪定や、ゴミの片付けを行い、見た目も清潔に保つようにしましょう。

もし空き家が遠方にあったり、日々の管理が難しい場合は、空き家の管理を専門に行っている管理会社に依頼する方法もあります。

費用はかかりますが、適切に管理してもらうことで、家が劣化するのを防ぐことができます。

空き家を賃貸物件として活用する

家がまだ使える状態であれば、賃貸物件として活用するのも一つの手です。

人が住むことで、家の劣化を防ぎながら、家賃収入を得ることができます。特に、立地が良い場所であれば、借り手を見つけることは比較的容易です。

ただし、賃貸物件として貸し出す場合、物件の状態によってはリフォームやクリーニングが必要になることもあります。

また、オーナーとしての責任も発生するため、賃貸借契約に関する知識を持っておくことが重要です。

売却を検討する

空き家を長期間管理するのが難しい場合や、早めに手放したい場合は、売却を検討するのも良い方法です。

空き家を売却すれば、固定資産税や管理費用の負担がなくなるだけでなく、売却益を得ることも可能です。

売却方法には、建物付きで売るか、解体して更地にしてから売るかの2つの選択肢があります。

建物付きで売る場合、解体費用がかからないメリットがありますが、買い手の選択肢が狭まることがあります。

一方、解体してから売ると、土地としての活用の幅が広がり、早期に売却できる可能性が高くなります。

ただし、解体費用がかかるため、その点も考慮する必要があります。

空き家を放置するとさまざまなリスクが伴う!早めの対処を!

空き家を放置すると、家の劣化や倒壊、犯罪被害、税金の増加など、多くのリスクが伴います。

空き家を所有している場合は、適切な管理を行うか、賃貸や売却などの方法で活用することが重要です。

空き家を放置することで得られるメリットはほとんどなく、逆に多くのデメリットが発生します。

もし空き家の管理や活用に悩んでいる場合は、まずは専門の不動産業者に相談することをおすすめします。

最適な対処法を見つけ、空き家の問題を解決しましょう。

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