囲繞地の売却は難しい?1円でも高い金額で売るための方法
囲繞地(いにょうち)とは、他人の土地に囲まれた土地(袋地)を取り囲む土地を指し、その土地の性質から売却が難しいとされています。
囲繞地は袋地の所有者が通行するため、所有者にとっては私有地に他人が入ることを許さなければならないという状況に直面することになります。
このため、囲繞地を売却したいと考えている方は、他の土地よりも注意深く売却方法を検討する必要があります。
この記事では、囲繞地を売却する際に知っておくべき基礎知識や売却の際に押さえておきたいポイント、そして高額で売却するためのコツについて、具体例を交えて詳しく解説します。
有限会社アティック取締役の橘田浩志です。2000年にデザイン会社として創業。出版を中心に雑誌や書籍などのデザインを手がける。2013年より不動産賃貸業を始める。アパート、区分マンション、戸建てなど様々な物件を購入。他にシェアオフィス 「原宿テラス」や民泊の運営など不動産を活用する事業も並行して行う。2023年より不動産業として日本全国の戸建物件の買取再販、東急世田谷線沿線専門仲介などの事業をスタート。
囲繞地とは?売却の難しさを理解する
まずは囲繞地の基本的な概念を確認しておきましょう。
囲繞地と袋地の関係
囲繞地とは、袋地(公道に接していない土地)を囲む土地のことを指します。
袋地は、公道に接していないため、袋地の所有者が外部と接触するには囲繞地を通行する必要があります。
法律上、袋地の所有者には囲繞地通行権という権利が認められており、囲繞地を通って公道に出ることが許されます。
囲繞地通行権と通行料
囲繞地通行権は、民法第210条で定められており、袋地の所有者が囲繞地を通行できることを保証しています。
囲繞地の所有者は、袋地の所有者に通行を拒むことはできませんが、通行に伴う損害に対して償金(通行料)を請求することが可能です。
囲繞地通行権に基づく通行料は、袋地所有者と囲繞地所有者が話し合いで決めることが一般的です。
しかし、合意に至らない場合は法的手続きを通じて解決することもあります。
この通行料が無償である場合もあり、特に古くから無償通行が慣習化しているケースでは、囲繞地の価値に影響を及ぼすことがあります。
囲繞地が売却しにくい理由
囲繞地は、他人に通行を許さなければならないため、通常の土地よりもプライバシーや防犯面で不利な条件を抱えています。
また、袋地の所有者との関係が悪化すると、通行権を巡るトラブルが発生するリスクもあります。
このような理由から、囲繞地は市場で売れにくい土地とされています。
囲繞地を売却するための方法とポイント
囲繞地は一般の市場では売りにくい物件ですが、適切な売却方法を選ぶことで、スムーズな売却が可能です。
以下に、囲繞地の売却方法を詳しく説明します。
袋地の所有者に買い取ってもらう
囲繞地を売却する際に最も自然な候補となるのが、袋地の所有者です。
袋地所有者が囲繞地を買い取ることで、袋地と囲繞地が一体となり、公道に接する土地としての価値が高まります。
これにより、袋地が再建築可能になり、土地全体の資産価値が上がる可能性があるため、袋地所有者にとってはメリットがあります。
専門の不動産買取業者に売却する
囲繞地の売却を最もスムーズに行う方法は、専門の不動産買取業者に売却することです。
買取業者は、一般市場で売却が難しい土地や問題のある不動産を専門的に扱っており、囲繞地もその対象となることが多いです。
不動産買取業者は、囲繞地のような特殊な条件を持つ土地でも、その後の活用方法を見出しやすいため、売却が迅速かつ確実に行えるというメリットがあります。
囲繞地を売却する際の査定ポイント
囲繞地の査定価格は、以下のような要因によって大きく左右されます。
囲繞地の売却価格を左右する条件
- 立地条件:囲繞地が都市部にあるか、住宅街にあるかで需要が異なります。特に駅や公共施設に近い囲繞地であれば、買取価格も上がる可能性があります。
- 袋地所有者との関係:袋地所有者との関係が良好であることは、囲繞地の価値にプラスの影響を与えます。袋地所有者がすでに囲繞地を通行しており、通行料を支払っている場合などは、安定した収益を見込むことができるためです。
囲繞地を高額で売却するためのテクニック
囲繞地を少しでも高く売却するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
専門業者に依頼する
囲繞地のような特殊な土地は、通常の不動産業者ではうまく扱えないことがあります。
そのため、囲繞地や袋地を専門に扱う買取業者に依頼することが効果的です。
専門業者は、これまでに多数の囲繞地売買の実績があり、独自のノウハウを持っているため、売却がスムーズに進むことが期待できます。
複数の業者に査定を依頼する
囲繞地の売却では、複数の買取業者に査定を依頼し、査定価格を比較することが重要です。
不動産買取業者によって査定基準が異なるため、一つの業者だけに依頼するのではなく、複数の業者に相談して最も有利な条件を選ぶことが必要です。
金額交渉を行う
買取業者から提示された査定額に納得がいかない場合、金額交渉を行うことも可能です。
信頼できる業者を選んで、現実的な範囲での交渉を行うことで、査定額が上がることもあります。
買取後の活用方法を考慮する
買取業者に売却する際には、その土地がどのように活用されるかを考えることも重要です。
たとえば、囲繞地が商業施設や駐車場として活用される可能性が高い場合、業者にとっても高い価値を持つため、査定額が上がる可能性があります。
囲繞地売却は専門の買取業者への相談がおすすめ!
囲繞地は、他人に通行されるという制約があるため、通常の土地よりも売却が難しい物件です。
しかし、専門の買取業者に相談することで、適正な価格で売却することが可能です。
売却を検討している方は、まずは複数の業者に査定を依頼し、信頼できる業者を見つけてから売却を進めることが大切です。
囲繞地を売却する際には、知識と経験豊富な業者をパートナーに選び、納得のいく形でスムーズな売却を目指しましょう。
有限会社アティック取締役の橘田浩志です。2000年にデザイン会社として創業。出版を中心に雑誌や書籍などのデザインを手がける。2013年より不動産賃貸業を始める。アパート、区分マンション、戸建てなど様々な物件を購入。他にシェアオフィス 「原宿テラス」や民泊の運営など不動産を活用する事業も並行して行う。2023年より不動産業として日本全国の戸建物件の買取再販、東急世田谷線沿線専門仲介などの事業をスタート。