水路に面した再建築不可物件の売却方法
水路に面した再建築不可物件をお持ちの方は、売却が難しいと感じているかもしれません。
特に、再建築不可物件は建て替えができないため、購入希望者が限られる傾向にあり、市場に出してもなかなか買い手が見つからないことが多いです。
しかし、売却のための具体的な方法や戦略を理解していれば、問題のある物件でも適正な価格で売却することが可能です。
本記事では、水路に面した再建築不可物件が抱える問題点や売却の難しさを説明するとともに、売却のために考えられる解決策を具体的な事例を交えながら解説していきます。
有限会社アティック取締役の橘田浩志です。2000年にデザイン会社として創業。出版を中心に雑誌や書籍などのデザインを手がける。2013年より不動産賃貸業を始める。アパート、区分マンション、戸建てなど様々な物件を購入。他にシェアオフィス 「原宿テラス」や民泊の運営など不動産を活用する事業も並行して行う。2023年より不動産業として日本全国の戸建物件の買取再販、東急世田谷線沿線専門仲介などの事業をスタート。
水路に面した再建築不可物件とは?
まず、水路に面している物件がなぜ「再建築不可」とされるのかについて理解することが重要です。
水路に面した物件は、道路と接していないことが多く、建築基準法で定められた接道義務を満たしていないため、再建築ができないと判断されるケースがあります。
接道義務とは?
建築基準法では、建物を新しく建てる際に、その土地が「建築基準法で定められた道路」に2メートル以上接していなければならないとされています。
この規定が接道義務です。
接道義務を満たしていない土地は、たとえ家が建っていても、建物が倒壊や取り壊しをした場合に新たな建物を建てられないため、再建築不可物件とされます。
水路に面した物件の問題点
水路に面している物件は、前面に道路がない場合が多いため、接道義務を満たせず、再建築不可となることがあります。
さらに、水路に面した土地は、次のような問題点も抱えています。
水路に面した物件の問題点
- 地盤が軟弱である可能性が高い:水路に近い土地は、水分を多く含んでいるため、建物が建てられても地盤沈下や液状化のリスクが高いです。
- 臭いや衛生問題が発生することがある:特に、排水路に面している場合、夏場に臭いがひどくなることや、虫が発生することが購入者に敬遠される原因になります。
- 水害のリスクが高い:水路に接しているため、大雨や台風の際に氾濫が起きる危険性がある場所とみなされることが多いです。
- 2. 水路に面した再建築不可物件の売却の難しさ
水路に面した再建築不可物件の売却の難しさ
水路に面した再建築不可物件の売却は、通常の物件に比べて非常に難しくなります。
具体的には、次のような理由で売却が困難です。
建て替えができない
再建築不可物件の最大の問題は、建物が古くなったり倒壊したりしても新しい建物を建てることができない点です。
これにより、将来的に住む場所を失うリスクがあるため、購入希望者が少なくなります。
たとえば、古い家屋が水路に面している場合、買い手はその物件をリフォームすることも難しく、投資としても価値を見いだしにくくなります。
地盤の弱さと安全性の懸念
水路に面した土地は、地盤が不安定なことが多く、特に大雨や地震時に沈下や液状化のリスクがあります。
地盤調査や補強工事が必要になる場合、これにかかる費用を考慮すると、購入者は二の足を踏むことが多くなります。
具体例
ある買い手が、水路に面した土地に建つ物件を購入しようとした際、地盤調査を行ったところ、地盤補強工事が必要なことがわかりました。補強工事の費用が数百万円にもなることから、買い手は購入を断念せざるを得ませんでした。
水害や悪臭のリスク
水路に面した土地は、水害のリスクが常に伴います。近年、異常気象による豪雨や台風の頻発で、洪水や浸水の危険が高まっています。
こうしたリスクがある物件は、たとえ立地が良くても、購入希望者にとって魅力が薄れてしまいます。
また、排水路に面している物件では、悪臭や虫の発生が問題になることもあります。
これらの要因が重なり、市場での売却が一層困難になります。
水路に面した再建築不可物件の売却方法
再建築不可物件であっても、適切な方法を取れば売却の可能性を高めることができます。
次に、具体的な売却方法を紹介します。
水路の占用許可を取得して橋を架ける
水路に面した土地でも、水路を横断する橋を架けることで、接道義務を満たすことができる場合があります。
橋を架けることで、土地が建築可能となり、再建築不可物件の問題を解消できます。ただし、この方法には多額の費用がかかり、自治体からの許可が必要です。
さらに、橋を架ける場所の条件次第では、必ずしも建築可能とは限らないため、慎重な検討が必要です。
具体例
ある売主が再建築不可物件を売却する際、地元の自治体に相談し、水路に橋を架ける許可を得ることに成功しました。橋を架けるための費用は100万円程度かかりましたが、その結果、接道義務をクリアし、再建築可能な物件として市場に出すことができ、無事に買い手が見つかりました。
専門の不動産買取業者に売却する
最も効率的な売却方法の一つは、再建築不可物件を専門に扱う不動産買取業者に売却することです。
こうした業者は、再建築不可物件や問題のある物件の取り扱いに慣れており、適正な価格での買取が期待できます。
また、通常の市場では売れにくい物件もスピーディに現金化できるというメリットがあります。
再建築不可物件の市場価値は一般の物件に比べて低くなるため、売却価格は相場よりも低くなることが多いですが、それでも専門業者は物件の状態に合わせた適正な価格を提示してくれます。
また、売却手続きが迅速で、売主にとって負担が少ないのも大きなメリットです。
具体例:ある高齢の方が所有する再建築不可の物件は、水路に面しており、築年数も古くなっていました。
売却を試みたものの、なかなか買い手が見つからなかったため、専門の買取業者に相談したところ、迅速に査定が行われ、1か月以内に売却が完了しました。
売主は手間をかけずに物件を現金化することができ、大変満足していました。
水路に面した物件の利点を活かす
水路に面していることで発生するデメリットが多い反面、特定の需要に応える物件としてアピールすることもできます。
たとえば、水路に面していることで、視界が開けていてプライバシーが保たれる、または、自然豊かな景観が得られるといったメリットを強調することが可能です。
こうした物件は、特定のニッチな市場や趣味を持った買い手に対してアピールすることで、成功する場合もあります。
具体例
ある買い手は、都会の喧騒を避けて静かに暮らしたいと考えており、川や水路が好きで探していた物件がまさに水路に面した再建築不可の物件でした。売主はその物件を景観の良さや静かな環境としてアピールし、結果的に買い手が見つかり、売却に成功しました。
水路に面した再建築不可物件を売却する際の注意点
水路に面した再建築不可物件を売却する際には、いくつかの注意点があります。
まず、物件の問題点を正直に説明することが重要です。
特に、接道義務を満たしていないために再建築不可であることや、水害や地盤のリスクがあることは、買い手に事前にしっかりと伝えましょう。
また、売却に向けて橋を架ける許可を得る場合や、専門の業者に売却する場合でも、しっかりと調査や手続きを行うことが求められます。
行政とのやり取りや書類の提出などが必要になるため、プロのサポートを受けることを検討するとよいでしょう。
水路に面した再建築不可物件は専門業者への売却がおすすめ!
水路に面した再建築不可物件の売却は難易度が高いですが、正しい知識と売却戦略を駆使すれば売却は十分に可能です。
水路に面していることで発生する問題点を理解し、それに対する解決策をしっかりと把握することが成功への鍵です。
接道義務を果たすための方法や、専門業者への売却を検討することで、再建築不可物件の売却をスムーズに進めることができます。
また、売却にあたっては、物件のデメリットだけでなく、利点をしっかりとアピールすることも重要です。
売却を成功させるためには、専門の知識を持った業者のサポートを受けることが最も効率的であるため、まずは無料相談を利用して、プロのアドバイスを受けてみましょう。
有限会社アティック取締役の橘田浩志です。2000年にデザイン会社として創業。出版を中心に雑誌や書籍などのデザインを手がける。2013年より不動産賃貸業を始める。アパート、区分マンション、戸建てなど様々な物件を購入。他にシェアオフィス 「原宿テラス」や民泊の運営など不動産を活用する事業も並行して行う。2023年より不動産業として日本全国の戸建物件の買取再販、東急世田谷線沿線専門仲介などの事業をスタート。