家を建てた直後に離婚した場合、家はどうする?損をしないためにとるべき行動とは?

「家を建てたばかりだけれど、もうこの人とはやっていけない」「せっかくマイホーム建てたけど、一緒の空間に住みたくない」などと言って、離婚する人は少なくありません。

むしろ、マイホームを建てることによって、価値観や考え方の違いが判明したり、パートナーへの不満が表面化したりして離婚に至る、「新築離婚」が増えています。

ただ、その際問題となるのが、建てたばかりのマイホームです。

どちらかが住み続けるのか、それとも売却するのか、財産分与やローンの残りはどうなるのか、考えなければならないことがたくさんあります。

ここをしっかり考えておかないと、数千万の大損になる可能性があるからです。

そこでこの記事では、家を建てたばかりで離婚する場合における選択肢と、それぞれの対応、注意点などについて、詳しく解説していきます。

目次

そもそも家を建てた直後に離婚することは可能か?

結論から言うと、家を建てた直後でも、離婚することは可能です。

家を建てる時には、夫婦で話し合い、納得した上での購入をしているはずです。

しかし、マイホームを購入したばかりに、その設計から完成に至るまでの流れの中で、夫婦での価値観や意見の食い違いが見られるようになったり、諍いが生じたりする場合もあります。

こういった場合、「協議離婚」や「調停離婚」であれば、家を建てたばかりでも、離婚することができます。

これらの離婚の場合は、夫婦の双方が離婚に納得し、合意することで、離婚が成立するからです。

合意形成が難しい場合は、「裁判離婚」になりますが、これには、以下の5つの事情のうち、1つ以上が該当しなければなりません。

裁判離婚に該当する5つの事情

  • 不倫
  • 悪意の遺棄(生活費不払いや家出など)
  • 3年以上の生死不明
  • 回復しがたい精神病
  • その他婚姻生活を継続しがたい重大な自由

したがって、例えば相手の不倫が発覚したなどの場合は、家を建てた直後でも、裁判離婚で離婚が成立します。

1~4に当てはまらない場合は、5に当てはまるような重大な事由を考えましょう。

家を建てた直後に離婚する場合の選択肢は「売却」か「住む」の2択

家を建てた直後に離婚する場合、その家の処分方法は、以下の2択になります。

家を建てた直後に離婚する場合の2つの家の処分方法

  • 離婚時に家を売却して、売却益を財産分与する
  • 離婚後も夫婦のどちらかが、その家に住み続ける

ただし、登記上、どちらの名義なのか、あるいは共有名義なのかによって、対応はずいぶん変わってきます。

以下に、家を売却する場合と、住み続ける場合とに分けて、とるべき対応を詳しく解説していきます。

家を建てた直後に売却する場合にとるべき対応

離婚後に夫婦どちらも住まないのであれば、家を売却するといいでしょう。

家を建てたばかりで、まだ住んでいないなら、とりあえず住民票を移しておきます。

そのまますぐに不動産業者に売却物件として登録しましょう。

すでに住んでいる場合は、住民票は移してあると思われるので、不動産業者に登録するだけで大丈夫です。

家を売却する際に問題になるのは、「オーバーローン」か「アンダーローン」か、ということです。

このどちらになるかで、家が共有名義でも単独名義でも、とるべき対応が異なります。

オーバーローンとは、物件を売却して得た代金で、ローンの残債を完済しきれない状態のことを言います。

一方、アンダーローンとは、物件を売却して得た代金で、ローンの残債を完済できる状態のことです。

建てたばかりの家を売却する場合は、ローンの負債がほぼ全額残っているケースが多いため、たいていはオーバーローンになります。

複数の不動産業者に見積もりを依頼して、売却価格を出してもらい、残債の額と照らし合わせてみましょう。

<1>アンダーローンなら売却益でローンを完済する

ローンの残債が、家の売却価格を下回る時は、所有者の意見だけで自由に売却することができます。

家を売却して得た代金で、ローンを完済してから、買主に物件を引き渡しましょう。

そもそもローンが完済していない物件は、抵当権が設定されているため、売却できません。

債務者が返済を滞ったら、債権者が物件を売却できてしまうので、そんな恐れのある物件を購入したい買主などいないからです。

したがって、アンダーローンの場合は、売買契約後にローンを完済して、抵当権を外す前提で、物件を売りに出します。

この際、家の売却で売却益(売却価格からローン残債やその他の費用を差し引いた金額)が出た場合、財産分与という形で、夫婦で折半することが可能です。

財産分与の割合は原則1/2

財産分与とは、離婚した夫婦の一方が、他方に対して財産の分与を請求できる制度です。

財産分与の基本は、以下の3つです。

財産分与の基本

  • 夫婦が共同生活を送る中で形成した財産の公平な分配
  • 離婚後の生活保障
  • 離婚の原因を作ったことへの損害賠償

財産分与の額は、まずは当事者間の協議によって決めることになります。

ただし、これによって決まらない場合は、家庭裁判所に持ち込まれます。

離婚の際の財産分与の割合は、原則2分の1と定められているため、家庭裁判所の審判では、夫婦で共働きをしているケース、夫婦の一方が専業主婦(夫)であるケースのどちらにしても、財産分与の割合は2分の1ずつにするよう命じられることが多いです。

これは、家が共有持分物件だった場合も、持分割合にかかわらず、2分の1で分けるのが原則となっています。

<2>オーバーローンなら金融機関に交渉し任意売却する

一方、オーバーローンであれば、債権者である金融機関の許可なく、勝手に家を売却することはできません。

先述したように、ローンの残債が残っている物件には、金融機関の抵当権が設定されているからです。

したがって、オーバーローンで家を売却したい場合は、金融機関に交渉して、抵当権を外してもらったうえで、家を売却し、得た代金でローンの残債をできるだけ返済しましょう。

このような、債務が残っている不動産を、金融機関の承諾のもとで売却することを「任意売却」と言います。

ただし、任意売却には以下の3点のようなリスクがあります。

任意売却のリスク

  • 今後の返済計画が立たない限り、金融機関に任意売却を認めてもらえない
  • 任意売却の期限を過ぎると、競売によって市場相場よりも安価で買い叩かれる
  • 任意売却を行うと、債務者の信用情報に傷がつき、今後ローンが組めなくなる

こうしたリスクを承知の上で任意売却を行う場合は、訳あり物件専門の不動産業者に依頼するといいでしょう。

一般的な不動産業者は、抵当権付きの物件を積極的に購入してはくれません。

抵当権付きの物件は買い手が付きにくい上に、抵当権を外すための金融機関との交渉も面倒だからです。

訳あり物件専門の不動産業者なら、金融機関との交渉スキルもあり、任意売却の物件を取り扱った実績もあるため、スムーズに売却できるでしょう。

建てた家に離婚後も住み続ける場合にとるべき対応

離婚後、夫婦の一方が建てた家に住み続ける場合、登記と住宅ローンの名義人がそのまま住み続けるのか、それとも名義人ではない方が住み続けるのか、あるいは共有名義の家に片方が住み続けるのかによって、対応が違ってきます。

登記と住宅ローンの名義人がそのまま住み続けるのであれば、何も問題はありません。

オーバーローンだったとしても、名義人がそのまま住宅ローンの残債を支払っていくことになります。

ただし、名義人ではない方が住み続ける場合は、手続きや問題が発生します。

以下は、仮に「現状では夫名義の家に、妻が住み続ける」と設定して解説しますが、たとえ夫と妻の立場が逆であっても、同様のことが言えます。

共有名義の家に片方が住み続ける場合は、次章を参照してください。

<1>家とローンの名義を妻に変更する

現状で夫名義の家に、妻が今後も住み続ける場合は、登記簿とローンの名義変更が必要です。

ただし、夫が組んでいたローンを妻の名義に変更するのは、簡単ではありません。

金融機関は、基本的に夫の経済力に応じてローンを組んでいるため、妻にも夫相応の経済力がなければ、ローンの名義変更を認めてくれないからです。

そのため、妻に名義変更する際には、金融機関から妻側の支払い能力や資産状況の審査を受けなければなりません。

専業主婦(無職)だった場合や、十分な資産がない場合は、審査が通らない可能性もあり、審査に通らなければ、ローンの名義変更をすることはできないのです。

したがって、ローンの名義変更をしたいのであれば、詳しくは専門の司法書士に相談してみるのがいいでしょう。

もし離婚協議そのものがスムーズに進んでおらず、すでに担当の弁護士がいる場合は、その弁護士に相談してみましょう。

<2>夫名義の家に妻が住み続ける(※非常に危険)

登記簿とローンの名義変更を行わないまま、妻の方が家に住み続けるという選択もありますが、これは非常に危険です。

なぜかというと、夫のローン返済が滞ったら、妻は住む場所を失うことになるからです。

何十年もにわたる返済期間の中で、夫が再婚して新たな家庭を持ったり、病気やケガなどの事情で働けなくなったりすれば、ローンの支払いが滞る可能性は、十分にあるでしょう。

ローン返済が滞ってしまうと、金融機関が家を競売にかけることになり、妻は家からの退去を迫られます。

また、そもそも登記簿の名義人とローンの名義人、そして実際に家に住む人は、原則として一致していなければなりません。

これが一致していないことが金融機関に知られてしまうと、契約違反とみなされて、ローンの一括返済を求められたり、損害賠償を請求されたりする恐れがあります。

したがって、夫名義の家に、名義変更しないまま妻が住み続けるというのは、非常にリスクが大きいと言えるでしょう。

共有名義の家は共有関係を解消しておくのが賢明

もし家が共有名義になっているのであれば、離婚する際には、共有関係は放置せず、解消しておくのが賢明です。

なぜかというと、共有名義の不動産は、共有者一人の意思では、売却することも、賃貸利用することもできないからです。

今後、もし共有名義の家を手放したくなったり、賃貸物件として貸し出したくなったりしたとしても、共有者である元夫あるいは元妻の合意がなければできません。

離婚した相手と話し合いを持ったり、説得したりする必要がありますし、合意が得られなければトラブルに発展する恐れもあります。

そのため、ここでは、離婚する際に共有関係を解消する場合の対応方法を、合意が得られる場合と、そうでない場合に分けて解説していきます。

合意が得られる場合にとるべき対応

共有者全員の合意が得られる場合にとるべき対応は、以下の2つです。

共有者全員の合意が得られる場合にとるべき対応

  • 通常の不動産と同様に共有不動産全体を売却する
  • 持分を売買して所有権をまとめる

それぞれ解説していきます。

通常の不動産と同様に共有不動産全体を売却する

共有者全員が売却することに賛成しているのであれば、通常(単独名義)の不動産と同様に、共有不動産全体を第三者に売却することができます。

共有名義の家であっても、持分100%の完全な所有権があれば、個人の買主に向けて、市場相場通りの金額で売りに出せるため、一般の不動産仲介業者が対応してくれます。

そして、売れたらその売却益を持分割合に応じて分ければ良いため、共有者間で公平性が保たれ、共有者全員が納得できる結果となるでしょう。

ただし、売却益を持分割合に応じて分けないと、贈与税が課せられる恐れがあるため、分配には注意しましょう。

持分を売買して所有権をまとめる

共有者間で持分を売買して、家の所有権を一本化するのも、賢明な方法です。

仮に、夫と妻とで2分の1ずつ持分を所有している場合は、妻が夫に自分の持分を売却することで、家は夫の単独名義となり、共有関係が解消されます。

もし妻が今後も家に住み続ける場合は、妻の方が夫の持分を買い取るといいでしょう。

買い取った方は、不動産が単独名義になれば、自分一人で自由に活用可能なので、そのまま住み続けることも、その後に売却したり賃貸利用したりすることもできます。

売却した方は、持分に応じた代金を相手から受け取れるので、新たな家を見つける資金にできるでしょう。

ただし、片方が片方の持分を買い取れるだけの資金がなければ、この方法は成立しません。

また、共有持分の取引価格は、共有者間で決めなければならないため、適正な価格をめぐってトラブルに発展する恐れがあります。

したがって、共有者間で持分を売買する場合に、トラブルになりそうであれば、専門の不動産コンサルタントや司法書士に相談しましょう。

合意が得られない場合にとるべき対応

共有者全員が売却することに合意を得られない、そもそも話し合いができない、あるいは連絡先がわからない、などといった場合には、以下の2つの対応方法があります。

共有者全員の合意が得られない場合に取るべき対応

  • 共有物分割請求をして共有関係の解消を目指す
  • 自分の持分のみ売却する

共有者全員の合意が得られない場合でも、共有関係から抜け出すことは可能です。

共有物分割請求をして共有関係の解消を目指す

他の共有者が売却することに合意しない場合は、共有持分分割請求をして、共有関係の解消をする、という方法があります。

共有持分分割請求とは、共有者の一人が、他の共有者に共有状態の解消を求めることです。

共有持分分割請求は、法的強制力があるため、請求された共有者は、共有物の解消に向けて行動しなければならないとされています。

共有持分分割請求は、裁判所の判決によって、強制的に共有関係を解消してもらう手続きだからです。

ただし、共有持分分割請求訴訟を起こすためには、まず当事者間で協議する必要があります。

相手と話し合いたくなくても、いきなり裁判に持ち込むことはできないので、注意しましょう。

協議の方法は、対面でなくても、電話やメールでも構いません。

協議そのものを相手方に拒否された場合でも、「協議が整わなかった」とみなされ、訴訟が受理される場合もあります。

また、当事者間での話し合いが難しい場合は、協議せずに調停を行い、調停が不成立になった時点で訴訟を起こす、という方法もあります。

ただし、裁判の結果、望んでいなくても「競売命令」が出る可能性もあるので、注意が必要です。

自分の持分のみ売却する

他の共有者が売却することに合意しないのであれば、共有持分分割請求を行わずに、自分の持分だけを第三者に売却することもできます。

とはいえ、自分の持分だけを個人の買主に売却することはできません。

共有不動産は、共有者一人の意思では何も活用しようがないため、共有者間でのトラブルがつきものだからです。

そんな不動産を買い取りたい個人の買主なんて存在しないのです。

したがって、自分の持分のみを売却するなら、訳あり物件専門の買取業者に依頼するといいでしょう。

訳あり物件専門の買取業者に自分の持分のみを売却するなら、他の共有者と顔を合わせたり、弁護士を立てたりといった面倒なことをする必要は、一切ありません。

自分の持分は、完全に自分の所有物であり、売却するのに他の共有者からの合意は必要ないからです。

専門の買取業者は、他の共有者との交渉スキルや不動産の活用ノウハウが豊富なため、自分が売却のために費用や労力を割かなくても、すべてうまく取り計らってくれます。

また、専門の買取業者に依頼すれば、最短数日で共有名義から抜け出すことができ、さらに共有持分をまとまった現金に換えられるというメリットもあります。

ただし、自分の持分を売却するのは、財産分与が終わってからにすることが重要です。

財産分与が行われる前に売却してしまうと、登記上の持分が自分の方が多くても、財産分与で2分の1ずつにされてしまうからです。

逆に、自分の方が持分が少なければ、権利を侵害されるため、賠償請求をしなければならなくなります。

また、購入者との三者トラブルに発展する恐れもあるため、共有持分の売却は、財産分与の後にするようにしましょう。

損をしないために!家を建てた直後に離婚するなら早めの売却がおすすめ!

家を建てたばかりで離婚するには、躊躇する面もあるでしょう。

しかし、もう今後相手と暮らしていけるという想いがないならば、早めに離婚して、できるだけ早く家を売却することをおすすめします。

理由は、以下の2つです。

離婚をするなら早めの売却がおすすめな2つの理由

  • 新築1年以内かつ未入居であれば新築として売却できる
  • 住宅ローンが残っていても売却できる

それぞれ詳しく解説していきます。

理由1:新築1年以内かつ未入居であれば新築として売却できる

家は、新築一年以内かつ未入居であれば、「新築物件」として売却することができます。

当然、中古物件よりも高い値段で売却できるでしょう。

中古物件は、新築物件の70~80%まで値段が落ちてしまうと言われています。

たとえ数週間でも、一度住んでしまえば中古物件になってしまうので、注意が必要です。

したがって、まだ建築中のうちに夫婦関係が悪化して、離婚を考えた場合は、家が完成してもすぐに入居せず、いったんそのままにしておいた方がいいでしょう。

ただし、「新築住宅」として売却する場合、「瑕疵担保責任」が生じます。

瑕疵担保責任とは、新築住宅の売主に対して、住宅の一定部位について瑕疵があった場合、一定期間(最低でも10年)にわたって、瑕疵補修請求、賠償請求、解除などの責任を負わなければならないことを言います。

これは新築物件の売却時に必ず負うものですので、回避するためには中古物件として売却するしかありません。

理由2:住宅ローンが残っていても売却できる

住宅ローンが残っていても売却できることは、すでに述べましたが、家を売った売却益で、ローンの残債を返済することができます。

アンダーローン(家の売却価格がローンの残債を上回る時)の場合は、そのままローンを完済することができますし、オーバーローン(家の売却価格がローンの残債を下回る時)の場合でも、残りを貯金から埋め合わせるか、「任意売却」という形で手放すことができます。

家の条件にもよりますが、ローンの借入額以上の金額で売却できる可能性は低いとはいえ、なるべく早く売った方が、新築に近いということで資産価値が下がらず、高値で売れる可能性が高いと言えます。

したがって、なるべく早い段階で、新築に近い条件で売却した方が、より高値で売れる可能性が高く、それでローンの残債も大部分が返済できるでしょう。

家を建てた直後に離婚する場合の注意点

家を建てた直後に離婚する際は、早い方がいいと述べました。

しかし、こういった場合の注意点もあります。

それは、以下の4つです。

家を建てた直後に離婚する場合の注意点

  • 裁判離婚では離婚が認められないことがある
  • 離婚協議書や離婚公正証書を作成せずに済ませると後々トラブルに発展することがある
  • ほとんどの場合ローンの返済が残る
  • 工事を中止すると違約金や損害賠償が発生する

それぞれ重要なので、見落とさないようにしましょう。

注意点1:裁判離婚では離婚が認められないことがある

家を建てた直後の場合、離婚裁判で離婚原因を認めてもらいにくいことがあります。

「つい先日まで夫婦で住むつもりで家を建てていたのだから、婚姻関係は破綻していない」と判断されてしまうからです。

相手の不倫や重篤な精神病など、明確な理由がないと、裁判で離婚することは難しいかもしれません。

注意点2:離婚協議書や離婚公正証書を作成せずに済ませると後々トラブルに発展することがある

離婚の条件や約束事項(家の名義、ローンの支払い、親権、養育費、財産分与に関してなど)を口頭で済ませてしまうと、後々「言った、言わない」などトラブルに発展する恐れがあります。

家を建てたばかりで離婚するのであれば、離婚協議書や公正証書を作成し、夫婦で決めた離婚の条件や約束事項を明記しておくべきでしょう。

特に、公正証書は、公証役場という国の機関で作成される証明力や執行力を持つ文書です。

離婚協議書を作成し、公証役場で二人の合意を証明してもらえば、離婚後における権利と義務を明確にできます。

公正証書があれば、万が一契約の不履行やローン・養育費などの未払いがあった場合に、財産の差し押さえなどの法的な手段を実行できるのです。

離婚する際には、弁護士や行政書士に依頼して、離婚協議書や公正証書を作成しておくようにしましょう。

注意点3:ほとんどの場合ローンの返済が残る

オーバーローンとアンダーローンに関しては、先に述べましたが、ほとんどのケースでオーバーローンの状態になってしまうでしょう。

オーバーローンの場合は、マイナスの財産となってしまうので、そもそも財産分与の対象にならず、ローンの名義人がそのままローンを返済していくことになります。

すると、どちらか一方に負担が偏ってしまうと言えます。

したがって、オーバーローンになる場合は、残ったローンの残債をどちらがどう支払うか、明確にしておかなければいけません。

注意点4:工事を中止すると違約金や損害賠償が発生する

離婚と家の建築とは全く別の問題であり、たとえ建築中に離婚が成立した場合でも、一方的に工事を中止することはできません。

仮に、建築会社との協議によって、建築を中止できたとしても、それまでの建築にかかった費用は当然請求されますし、たいていは損害賠償を請求されることも多いです。

また、まだ建築前だったとしても、契約解除には違約金がかかります。

さらに、建築途中の家を購入する買主などいないため、どうしようもなくなってしまいます。

したがって、まだ家が完成前だったとしても、工事を中止するのは現実的ではないでしょう。

基本的には、家の完成を待ってから、入居せずに「新築住宅」として売却することを考えるのがおすすめです。

家を建てた直後に離婚する場合は早めの売却を検討しよう!

以上、家を建てた直後に離婚する場合に、なるべく損をしないようにとるべき対応をお伝えしてきました。

ローンの返済や共有名義など、ややこしい問題がいくつも出てきましたが、一番いい方法は、やはりできる限り早めに、より高値で売却して、ローンの返済に充てることでしょう。

アンダーローンであれば、財産分与も簡単です。

その際、名義などのややこしい問題は、必ず夫婦で合意したうえで、公正証書に残しておくことをおすすめします。

夫婦で合意できない場合は、弁護士や行政書士などに相談しましょう。

各士業と連携している訳あり物件専門の買取業者に相談するのもおすすめです。

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