相続した際の空き家の管理とそのリスク!売却は検討すべき?

空き家を相続した場合、突然の負担にどう対処すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

特に、自分自身はその空き家に住む予定がない場合、管理や維持にかかる費用や手間をどのように扱うべきかが大きな課題となります。

この記事では、空き家の管理がなぜ重要なのか、管理を怠った場合のリスク、さらに、住まない・活用しないのであれば売却を検討すべき理由について詳しく解説します。

相続した空き家をどのようにするか迷っている方に向けて、最適な対処方法を提案していきます。

空き家を相続したら最初に考えるべきこと

空き家を相続した場合、まず最初に考えるべきことは、その家をどうするかという選択です。

住む、賃貸物件として活用する、売却するなど、いくつかの選択肢がありますが、いずれにせよ家を管理しなければなりません。

どの選択をするにしても、まずはその物件の状態をしっかり把握することが重要です。

物件の現状を確認する

空き家の状態を確認するには、以下のポイントに注目しましょう。

空き家の現状の確認ポイント

  • 建物の老朽化具合:外壁や屋根の状態、水道・電気・ガスといった設備が使えるかどうかを確認します。特に、長期間放置されていた場合、劣化が進んでいる可能性が高いため、専門家に依頼して点検をしてもらうことをおすすめします。
  • 耐震性のチェック:日本は地震が多い国です。特に築年数が古い家の場合、耐震性に問題があるかもしれません。耐震診断を受けて、必要であれば補強工事を行う必要があります。
  • シロアリや害虫の被害:空き家はシロアリや害虫の被害を受けやすく、長期間放置していると家の構造自体に深刻なダメージを与えることがあります。

管理を考えないといけない理由

空き家を放置してしまうと、思いもよらないリスクが生じます。

空き家の管理は、費用も手間もかかる上に、そのまま放置してしまうと様々な問題が発生します。

まずは、空き家の管理を怠ることで起こり得るリスクについて理解しておきましょう。

空き家を放置するリスク

空き家を相続して、そのまま管理をしないで放置していると、次のようなリスクが発生します。

建物の劣化による資産価値の低下

建物は使われないまま放置されると、劣化のスピードが早まります

特に湿気がこもりやすくなり、壁や床が腐ったり、カビが発生したりすることがあります。

定期的に換気や清掃を行わないと、建物全体の状態が悪化し、修繕費用がかさむだけでなく、最悪の場合、建物の資産価値がゼロに近くなることもあります。

具体的には、雨漏りやシロアリ被害が見過ごされると、家の構造部分にまでダメージが及び、修繕に何百万もの費用がかかることも珍しくありません。

このような状態にまで悪化すると、最終的には解体費用を負担して更地にする以外の選択肢がなくなる可能性があります。

近隣への悪影響

空き家が放置されると、その周囲にも悪影響が及びます。

建物が劣化して外壁や屋根が崩れたり、庭が荒れ放題になったりすると、景観が悪化し、近隣住民からの苦情が発生することがあります。

また、草木が繁茂している場合は、蚊や害虫が発生する原因となり、衛生面でも問題となります。

さらに、放置された空き家が倒壊のリスクを抱えている場合、近隣の家や通行人に危害を加える可能性もあり、損害賠償責任を問われることもあります。

犯罪に巻き込まれるリスク

誰も住んでいない空き家は、犯罪のターゲットにされやすくなります。

不法侵入や放火、さらには空き家を利用した不法投棄やゴミの放置といった問題が発生することもあります。

こうした問題が起きると、近隣とのトラブルが発生するだけでなく、修繕費用や清掃費用などが発生し、さらに大きな負担となるでしょう。

固定資産税の負担

空き家であっても、固定資産税や都市計画税は毎年発生します。

特に、空き家が**「特定空家」**と認定されてしまうと、税制上の優遇措置が適用されなくなり、税金が6倍に増えることもあります。

特定空家とは、管理が不十分な状態で、建物が危険な状態にあるか、景観や衛生面で問題があると自治体が認定した空き家を指します。

空き家をそのまま放置していると、税負担が増加し、維持費用の負担がさらに大きくなる可能性があるため、早めの対策が必要です。

行政代執行のリスク

特定空家に指定され、改善を求める指導や勧告に従わない場合、最終的には行政代執行が行われることがあります。

行政代執行とは、自治体が所有者に代わって空き家を解体したり、修繕したりする措置のことです。

これが行われると、その費用はすべて空き家の所有者が負担することになり、支払いを怠れば差し押さえなどの処分を受けることもあります。

空き家の管理にかかる手間と費用

空き家を相続した後、空き家を適切に管理するためには手間と費用がかかります。

ここでは、空き家の管理に関わる具体的なコストや作業について見ていきます。

定期的なメンテナンス

空き家を管理するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

以下は、主なメンテナンスの例です。

空き家の現状の確認ポイント

  • 換気や清掃:空気の循環を良くし、カビや湿気の発生を防ぐために、定期的に窓を開けて換気を行います。室内の清掃も、ほこりやゴミの溜まりを防ぐために必要です。
  • 庭の手入れ:庭がある場合、草刈りや木の剪定を行い、虫の発生を防ぎます。庭の放置は景観を悪くし、害虫の繁殖地になるため、定期的な手入れが必要です。
  • 建物の点検:雨漏りや外壁のひび割れ、シロアリの発生などを防ぐために、専門家による定期的な点検が推奨されます。

管理代行業者の利用

空き家が遠方にある場合や、日々の忙しさから管理が難しい場合、空き家管理代行業者を利用することも一つの方法です。

管理代行業者は、定期的に物件を訪れ、換気や清掃、草刈りなどのメンテナンスを行ってくれます。

費用は業者やサービス内容によりますが、月々数千円から数万円程度かかることが多いです。

ただし、管理代行サービスを利用する場合でも、修繕費や大規模なメンテナンスは別途負担となるため、総合的なコストは無視できません。

空き家の活用方法

空き家を活用する方法としては、賃貸物件として貸し出す、または民泊として利用するなどの選択肢もあります。

ただし、これらの選択肢にもそれぞれのリスクや手間があります。

賃貸物件として貸し出す

空き家を賃貸物件として貸し出すことができれば、家賃収入を得ながら管理の手間を軽減することができます。

ただし、賃貸物件として貸し出すにはリフォームやクリーニングが必要になることが多く、初期費用がかかります。

また、賃貸契約に関する知識やトラブル対応など、賃貸経営に関わる責任も発生します。

民泊やシェアハウスとして活用

空き家を民泊やシェアハウスとして活用することも一つの方法です。

特に観光地にある空き家であれば、民泊として利用することで収益を上げる可能性があります。

ただし、これも運営には手間とリスクが伴い、初期投資も必要です。

売却という選択肢を検討する理由

住む予定もなく、活用する計画もない場合、空き家を売却することを強く検討すべきです。

売却は、空き家の管理や維持費から解放されるだけでなく、売却代金を新たな生活や投資に活用できるというメリットがあります。

売却で得られるメリット

  • 維持費や管理の手間から解放される:空き家を売却すれば、固定資産税や修繕費、管理費などの負担がなくなります。特に老朽化が進んでいる家の場合、修繕やメンテナンスにかかる費用がかさむ前に手放すことで、大きな経済的負担を回避できます。
  • 資産を現金化できる:売却によって得られる資金は、新たな生活資金や投資に活用することができます。また、現金化することで、相続税の支払いにも役立てることができる場合もあります。

不動産業者に相談する

空き家の売却を検討する場合、まずは不動産業者に相談しましょう。

専門家は物件の市場価値を適切に査定し、最適な売却方法を提案してくれます。

また、空き家の解体や土地としての売却など、売却前の段階で検討すべき選択肢についてもアドバイスを提供してくれるため、効率的な売却が可能です。

相続した空き家を管理するより、売却の方がおすすめ!

空き家を相続した場合、そのまま放置することは多くのリスクを伴います。建物の劣化や近隣への悪影響、犯罪リスク、固定資産税の増加など、空き家を管理しないことによるデメリットは無視できません。

もし空き家に住む予定がない、活用の具体的なプランがない場合は、売却という選択肢を検討することが最も合理的です。空き家の管理から解放されるだけでなく、売却によって得られる資金を有効に活用することができます。

空き家の扱いに悩んでいる方は、まず不動産業者に相談し、最適な解決策を見つけましょう。

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