誰も継がない実家はどうするのがベスト?損しない方法を解説
親の代まで大切に守られてきた実家。
しかし、子供たちは独立し遠方で暮らしているため、実家を継ぐ人がいないというケースは少なくありません。
そんな誰も継がない実家を放置していると、想像以上に大きな損失を被るリスクがあるのです。
実家は先祖代々受け継がれてきた財産であり、家族の思い出が詰まった大切な存在です。
しかし、相続する人がいないからといって、そのまま放置してしまうのは得策ではありません。
放置することで様々なリスクが発生し、結果的に大きな損失を被ることにもなりかねません。
では、誰も継がない実家を放置するとどのようなリスクがあるのでしょうか。
有限会社アティック取締役の橘田浩志です。2000年にデザイン会社として創業。出版を中心に雑誌や書籍などのデザインを手がける。2013年より不動産賃貸業を始める。アパート、区分マンション、戸建てなど様々な物件を購入。他にシェアオフィス 「原宿テラス」や民泊の運営など不動産を活用する事業も並行して行う。2023年より不動産業として日本全国の戸建物件の買取再販、東急世田谷線沿線専門仲介などの事業をスタート。
誰も継がない実家を放置するのはNG!大損するリスクがある
誰も継がない実家を放置すると次のようなリスクがあります。
誰も継がない実家を放置するリスク
- 維持費がかかるリスク
- 特定空き家に指定される可能性リスク
- 近隣住民から損害賠償請求されるリスク
一つひとつ詳しく見ていきましょう。
維持費がかかるリスク
実家を放置していると、固定資産税や都市計画税、火災保険料、電気・ガス・水道などのライフライン代金など、維持するための費用がかさみます。
人が住まなくなった空き家は、時間の経過とともに傷みが進行するため、その分修繕費用もかかってしまうでしょう。
特に、屋根や外壁、設備の劣化は深刻で、放置すればするほど修繕費用は高額になります。
さらに、空き家の維持管理を怠ると、不審者の侵入や放火、盗難などの犯罪のターゲットにもなりやすくなります。
防犯対策のための費用も必要になるでしょう。
このように、誰も住まない実家を放置していると、様々な維持費がかさんでしまうのです。
特定空き家に指定される可能性リスク
適切な管理がされていない空き家は、特定空き家に指定される可能性があります。
特定空き家とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態の空き家のことを指します。
指定されると、行政から改善命令が出され、場合によっては行政代執行により強制的に解体されることもあるのです。
特定空き家に指定されるような状態になるまで放置してしまうと、行政からの命令に従って改善工事を行わなければならず、多額の費用がかかってしまいます。
また、行政代執行で強制的に解体された場合、解体費用は所有者の負担になります。
つまり、特定空き家に指定されないよう、普段から適切な管理を行うことが大切なのです。
近隣住民から損害賠償請求されるリスク
管理不全の空き家は、近隣住民に悪影響を及ぼします。
例えば、空き家の雑草が隣地に繁茂した場合や、空き家の瓦が飛散して隣家の窓ガラスを割ってしまった場合などには、近隣住民から損害賠償請求をされるリスクがあります。
特に、台風などの自然災害時には、老朽化した空き家が倒壊し、隣家に被害を与えてしまう可能性もあります。
そうなると、高額な損害賠償を求められることになるでしょう。
さらに、空き家が不審者のたまり場になり、近隣の治安が悪化するようなこともあります。
そのような場合、近隣住民から管理責任を追及されるかもしれません。
誰も住まない実家でも、所有者には適切な管理責任があるのです。
実家を誰も継がないとなった時に検討すべき3つの方法
実家を誰も継がない場合には、次の3つの方法を検討しましょう。
実家を誰も継がない場合に検討すべき方法
- 相続放棄(ただし、注意が必要)
- 相続してから売却
- 相続し、そのまま賃貸にできないかを検討
相続放棄(ただし、注意が必要)
誰も実家を相続しない場合、相続放棄という選択肢もあります。
ただし、相続放棄には期限があり、被相続人の死亡を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。
また、相続放棄は複雑な手続きが必要なため、弁護士に相談するのがおすすめです。
相続放棄をすると、その財産に関わる一切の権利と義務を放棄することになります。
つまり、実家の所有権は放棄したことになるため、以降の管理責任からは解放されます。
ただし、相続放棄には注意点もあります。相続人全員が相続放棄をすると、実家は国庫に帰属することになります。
しかし、国庫に帰属するまでの間は、相続人が管理責任を負うことになるのです。
また、相続放棄をしても、被相続人の債務は消滅しません。
債権者から請求されるリスクもあるため、安易に相続放棄をすべきではありません。
相続してから売却
実家を相続した上で、売却するという方法もあります。
老朽化など瑕疵がある場合は専門業者への売却がおすすめ!
老朽化が進んだ実家や、リフォームが必要な実家は、一般的な不動産会社では買い取ってもらえないこともあります。
そのような場合は、老朽化した物件の買取を専門としている不動産会社に依頼するのがおすすめです。
専門業者は、物件の状態を見極めた上で適正な価格を提示してくれます。
また、物件の瑕疵についても承知の上で買い取ってくれるため、売主側のリスクを軽減できるメリットがあります。
さらに、専門業者への売却なら、不動産の売却に関する様々な手続きを代行してくれるため、売主側の手間を大幅に省くことができます。
老朽化した実家でも、専門業者なら円滑に売却できる可能性が高いのです。
実家の売却時にかかる税金を知っておこう
実家を売却する際は、譲渡所得税や住民税、固定資産税などの税金がかかります。
税金の計算方法は物件の種類や所有期間によって異なるため、事前に専門家に相談しておくと安心です。
譲渡所得税は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた額に対してかかる税金です。
また、売却した年の翌年度は、売却価格に応じて住民税が増額される場合があります。
固定資産税は売却後も請求されることがあるため、精算方法を確認しておく必要があります。
実家の売却時には様々な税金がかかるため、専門家に相談して適切に対処することが大切です。
相続し、そのまま賃貸にできないかを検討
実家を相続した上で、リフォームを行い賃貸物件として運用するという選択肢もあります。
ただし、賃貸経営には入居者の募集や物件の管理など、手間とコストがかかります。
賃貸需要や物件の状態、管理コストなどを踏まえた上で、慎重に検討する必要があるでしょう。
まず、実家がある地域の賃貸需要を調べることが大切です。
需要が見込めない地域では、入居者を確保するのが難しくなります。
また、物件の状態によっては、大規模なリフォームが必要になるかもしれません。リフォーム費用が高額になると、賃貸収入では回収できない可能性もあります。
さらに、賃貸管理には専門的な知識が必要です。
物件の管理を自分で行うのは大変な労力がかかるため、管理会社に依頼することも検討しましょう。
ただし、管理会社に依頼すると、その分の費用がかかります。
賃貸収入から管理費用を差し引いた額が、果たして魅力的な収入になるのかどうかを見極めることが大切です。
実家を誰も継がない場合は、リスクの一番少ない売却を検討するのがベスト!
誰も継がない実家を放置していると、維持費の負担や特定空き家のリスク、損害賠償請求のリスクなど、様々な損失を被る可能性があります。
相続放棄や賃貸経営という選択肢もありますが、一番リスクが少なく、確実なのは売却です。
実家の売却を検討する際は、物件の状態に合わせて適切な売却方法を選ぶことが大切です。
老朽化が進んだ実家なら専門の不動産会社に、比較的状態の良い実家なら一般の不動産会社に相談してみましょう。
有限会社アティック取締役の橘田浩志です。2000年にデザイン会社として創業。出版を中心に雑誌や書籍などのデザインを手がける。2013年より不動産賃貸業を始める。アパート、区分マンション、戸建てなど様々な物件を購入。他にシェアオフィス 「原宿テラス」や民泊の運営など不動産を活用する事業も並行して行う。2023年より不動産業として日本全国の戸建物件の買取再販、東急世田谷線沿線専門仲介などの事業をスタート。